沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*
子どもたちは大人しく待っていた。
部屋に戻ってきてすぐにパパは姿を消してしまった。
ふとベランダから窓の外を見ると・・・いたいた。
パパは海に面した自然学校の庭にあるリゾート風の白い椅子に座って一人でビールを飲んでいた。
芝生の庭にはテント風の屋根が仕付けられていて、その下に椅子とテーブルが置いてある。
パパはそこでくつろぎながら今帰仁の地図を広げているみたいだった。
私もさっき買ってきたばかりの缶入りアルコールを手に庭に降りていった。
「ここ、いいねー」
海一望の特等席だ。こればっかりは名護のマンションじゃできなかったものね。
この場所で初めて、私はなきじん海辺の自然学校で自分の居場所を見つけたような気がした。
しばらく海を眺めながら飲んでいると・・・
すぐ隣のボートランプからモーターボートが一隻降ろされていくのが見えた。
ご主人のnaruさんと何人かのスタッフが力を合わせてコンクリの斜面からゆっくりモーターボートを海面に降ろそうとしている。
ボートが海に降りて浮かぶと、naruさんは一人で乗り込みエンジンをセットした。
そして目の前の海をぐるりと一周する。
何をしているんだろう・・・?
どこかへ行くでもないし、誰かお客さんを乗せるでもないようだ。
「何をしてるんだろうね?」パパと二人で首を傾げた。
そのうちにもう一人、帽子を被った女性が乗り込んだ。
そしてモーターボートに乗った二人は一緒にボートを降ろしたスタッフたちに嬉しそうに手を振って古宇利島の方向へと消えていった。
みんなでモーターボートを出していったい何をしているんだろう???
やがて別のスタッフが現れた。
ぱっと見、がたいが大きくて怖そうなボクサーみたいに見えるが、目だけはすごーく優しい感じの人と、細身でひょろっとしていて地黒で東南アジア系の二枚目といった感じの人の二人。後からこの二人は、あっきーさんときよしさんという名前だと教えてもらった。
「あれ? ボートはどこいっちゃったんですか?」と彼ら。
「えっ、ご主人が奥さんと二人で乗って行っちゃったよ」とパパ。
あっ、あの帽子の女性は自然学校の女将さんだったのかと初めて知った私。
「えーっ」
何がどう驚くポイントなのかさっぱり判らない私たち。
「あのボート、なんなんですか?」
「いや、あれ、壊れていたのを何日も掛けて直したんですよ」
「そう、ぼくらが」
「今日、進水式で、絶対ぼくらも乗せてもらえると思ってたのに」
「やられたよなー」
修理したボートを初めて降ろしたところだったのか。どうりでみんな嬉しそうだったわけだ。
それから彼らはボートランプで釣りを始めた。
それを見てパパは「ここの従業員って、(悪い意味じゃなく)自分たちが楽しんじゃってるよね」と言った。
ボートは戻ってきて、今度はあっきーさんやきよしさんを乗せて海へ出た