カナがコップの口を広げている間、レナも吹き竿でガラスを膨らませていた。
膨らませるところまではカナと同じようにできたが、口を広げるときはやはり体が小さくて危ないというので、椅子には座らずパパと二人で離れたところからトングを使った。
ひととおりの作業を終えてすっかり汗だくになってしまった二人。
「これで終わり?」
ちょっと物足りないよう。
でもこのやんばるガラス工芸館での吹きガラス体験はなかなか良かったと思う。体験そのものはむら咲むらのそれと違って行程のほんの一部だが、出来上がったコップは世界に一つだけのオリジナルで、何よりとても綺麗で実用的。
旅行を終えて東京に帰ってきてから二人は毎日使っている。
前に
福島の四季の里公園で作ったコップをママがうっかり割ってしまったので、ちょうど日常遣いのコップを探していたところだった。
やんばるガラス工芸館グリーンフラッシュのガラス製品は他にもいろいろあって、特に琉球ガラスには珍しい耐熱ガラスの製品や、暗いところで光る蛍光ガラスなどが興味深い。
耐熱ガラスは真面目に欲しかった。温度を気にせず使えるのは便利だし。
でも耐熱ガラスシリーズは耐熱ガラスであることを重視しているのでちょっと琉球ガラスらしさが薄い。その辺がネックに。
蛍光ガラスは食器ではなくアクセサリーに使われている。暗いところで光るらしい。
「パパがこれ買うって」
へ?
子どもたちが蛍光ガラスの携帯ストラップを指さした。
私が今年も結局悩んだ末に決められなかったのに、パパはちゃっかり蛍光ガラスのストラップを購入していた。