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*子連れ沖縄旅行記3*

5.ハブクラゲなのかカツオノエボシなのか










 カナが足を水面に持ち上げた。
 左足の腿の内側に何か不気味なものが張り付いているのが見えた。
 一瞬のことだったが、私にはビーズをいくつか通した糸のような青く透明な物体が見えた。
 私は何かを口走った。
 動転していたので何だか覚えていなかったが、後からレナが教えてくれた。
 「あのときママはこう叫んだよ、『何かいるっ!!』って」

 何かってクラゲに決まっていて、クラゲだと判っていたが、そのときは親子してエイリアンにでも遭遇したかのような恐怖に襲われていた。
 「触っちゃ駄目!! すぐに海から上がって!!」
 必死で私たちは浜を目指した。
 距離にしてほんの数メートルのはずだが、水の抵抗をこのときほど辛く感じたことは無かった。
 怖かった。
 とにかく怖かった。
 私だけでなくカナが一番怖がっているのが判った。
 とにかく陸地に上がらなくては。一刻も早く。

 砂浜についてカナの腿のところを見ると、砂がついていてよく判らない。
 とにかく海の水をすくって掛けた。
 足が見えるようになると、もうそこには恐怖の物体はついていなかった。
 カナは震えながら「痛い、痛い」と押し殺したような声で泣く。
 ハブクラゲには酢だ。酢をかけなくては。
 だけどさっき見た物体は青く見えた。
 もしハブクラゲじゃなくて、カツオノエボシだったら・・・。
 ハブクラゲに刺されたときは即座に酢を掛けて触手を剥がすというのが最も一般的な対処法だ。
 触手には毒の刺胞細胞があり、そこから無数の毒針が発射される。酢にはそれを止める効能があると言われている。
 但し、酢が全てのクラゲに対して有効なわけではなく、むしろカツオノエボシなどは毒針の発射を促し症状を悪化させるとも言われている。
 ど、どうすればいい。
 私にあれがどちらのクラゲだったか判別は付かないよ。

 ・・・というか、今の時点では既に(幸いにして)触手は全て剥がれているようだ。
 酢は触手をはがすためのものだから、今、最善の行動はむしろ一分でも早く病院に彼女を連れていくことではないだろうか。



2-6ハブクラゲの傷へ続く


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