海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

16.ずぶぬれキッズ

　「ねぇねぇ噴水は?」とカナ。
　噴水とは中央ゲート前の石段を下りたところにある大きな噴水のことだ。
　これは普通の噴水と違って水を溜めるところが無い。
　つまり真っ平らな広場にいきなり吹き上がるのだ。落ちた水は全部その場で吸い込まれるようになっている。
　去年は美ら海水族館、オキちゃん劇場を見た後、子どもたちはこの噴水にはまって大喜びで遊んだ後、着替えもないのに洋服をびっしょりぬらしてしまった前科がある。
　だから今回は、前回と同じ轍を踏まないよう、ちゃんと着替えを持参した。
　ついでに噴水に寄るのは海洋博公園で遊び終えた最後にしようと考えていた。
　「えーとまだウミガメとジュゴンを見ていないけど・・・」と私はパパにこっそり聞く。
　「もう十分遊んだからウミガメとかはいいんじゃない?　噴水に連れていって終わりにしよう」

　去年遊んだ噴水のことは、カナもレナもよく覚えていた。
　「こっちだ」と、大人も待たずにさっさと駆けていく。
　この噴水、とっても子ども心をくすぐるのだが、びしょぬれになると困るので大概の親は眉をひそめる。
　堂々と噴水のしぶきで遊んでいるのはアメリカ人の子どもたちばかりだった。
　小さい男の子が二人と小さい女の子が一人、そしてちょっと大きい男の子が一人。そこにカナとレナが加わって、総勢6人。
　最初は恐る恐る水の噴き出し口を気にしながら廻っていたが、服に水がかかってからはもうやりたい放題。
　特に一人大きい男の子は中央の勢いよく水の噴き出す真上に立って、まるで水の檻に閉じこめられているような状態になった。
　もうプールにでも落ちたみたいにずぶぬれ。
　ズボンも靴もあそこまでぬれたら乾かないだろうに、気にしないんだろうか。
　「あいつらバカだなー」とパパが笑ったら、いつの間にかカナもレナも同じくらいびしょぬれ。
　はい。うちの娘たちも同レベルです。

　大人はそれを日陰で涼みながら見ていた。
　パパの手にはいつの間にか、うこんの苗。園内のどこかで買ってきたらしい。
　子どもたちは噴水の水ですっかりクールダウン。
　飽きるまで遊んで駐車場に戻った。
　洋服がびしょびしょで気持ち悪いーと言うのをなだめながら歩かせて、車で乾いた服に着替えさせた。
　海洋博公園でたっぷり遊ばせてもらった。
　全然お金を使ってないけど。