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◇◆野沢温泉&子連れスキー旅◆◇

19.神社の裏の新田の湯











 外に出ると雪だった。
 ちょっと雨っぽい湿った雪で結構な量が降っている。
 傘を差してこなかったことを公開したがニット帽も被っているしそのまま行くことにした。
 さて、どこの外湯に行くか・・・。

 候補は新田の湯秋葉の湯松葉の湯
 本当は秋葉か松葉に行きたかったが、何せ夜。一番嫌なのは雪の中、道に迷うこと。
 時間もあまり無いし、無難なところで新田の湯にしよう。
 ここならメインストリート沿いの新田ターミナルからちょこっと横道に入った場所にある。かねか荘からの距離でも最短の中尾の湯に次いで近いはず。方向音痴の私でも迷わずたどり着けるだろう。

 麻釜湯滝の湯に行くとき往復した通りを再び歩く。
 全然人通りがないなぁ。
 とにかく真っすぐ坂を上っていくとリゾートインあべの看板が見えた。
 リゾートインあべは遠い昔、民宿あべと言ったと思う。実は学生時代初めて野沢温泉に来た時に泊まった宿だ。
 その頃は温泉に特に興味があったわけではないので、どこか一か所友人に連れられて外湯に入った記憶はあるのだが、それがどこだかは今となっては分からない。
 とにかくリゾートインあべの看板を過ぎて二つ目の曲がり角を右へ曲がればいいはず。

 曲がると暗い通り。
 メインストリートはまだ街灯や店の灯りがあったが、一歩曲がるととても暗い。
 その暗い真っ正面に湯小屋らしき建物・・・と思ったら、それは外湯ではなく神社だった。
 昨日の十王堂の湯と同じようなパターンだ。
 じゃあ新田の湯はどこに、と思えば、ちょうどその西宮神社と背中合わせに建っていたのがそれだった。







 入り口は三角屋根に漆喰の壁。
 雨のような雪がしとしとと降る中で、外湯の灯がぼんやりと辺りを照らしている。
 掲げられた木の看板には新田乃湯と掘られていた。

 外は暗かったが、中は明るかった。
 他の外湯と比較して広い脱衣所を有していると思ったが、夜8時過ぎのこの時刻、地元の人で大変混雑していた。
 みんな普通に家のお風呂に入るように外湯に来ているのだ。
 ここは各々のお風呂でありながら社交場となっていた。
 子供連れも多い。

 浴室はタイル張り。
 とにかく大勢の入浴客がいるので狭く感じる。
 あちらこちらから世間話が聞こえてくる。
 浴槽のお湯が熱めで子供がちょっと難儀していたら、何人ものおばさんが「こっちの方がぬるいよ」と甲斐甲斐しく世話を焼く。
 水を入れてあげる人もいる。
 お湯はわずかに白濁して、臭いなどは薄かったが、それでもお湯に入れた手のひらからはほんのりとマッチの臭いがしてクスっと笑いたくなる。
 あまり長湯をしても迷惑なので早めに切り上げた。
 本当に新田の湯は地元の方で大賑わい。
 なんとなく下町の銭湯のようでもあった。
 「お先に失礼します」とドアの外へ出ると、とたんに喧騒は消えて暗い夜道。
 見上げるとまだ飽きることなく雪が降っている。






3-1大人だけの朝風呂へ続く


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