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鳴子温泉巡り旅

12.キノコとマムシの大久商店











 キャンプ場に着く前に、まだもう一軒立ち寄った店がある。
 寄り道してばっかりだ。
 キャンプ場のすぐ手前、キノコとマムシを売る店。
 そう、三年前も立ち寄った。珍しいキノコとか山菜とかに混じって、焼酎のペットボトルに詰めたマムシを並べてある。
 もちろん生きている。
 この店の主は山の中に出かけてマムシを捕まえてきてはペットボトルに詰める。何ヶ月か詰めておくと排泄物を出し切るので、それから黒焼きにしたり、焼酎を入れてマムシ酒にしてしまう。
 「マムシ酒は傷に効くけんど、焼酎に詰めてすぐに使っちゃ駄目だぞ。毒が血液に混ずると命に関わる。何ヶ月も漬けておかないと駄目だ」
 おじさんはマムシの捕まえ方から、注意のはらいかたまでいろいろ教えてくれる。キャンプ場や登山中に用を足そうとその辺の草むらに入ったときが危ないんだそうだ。
 「こう、先にな、足でがさがさと草をかきわけていないことを確かめてから用を足すんだな。確認しないでパンツ降ろすとな、こうがぶっとかむづかれるから」
 あまりになまっているので、最初何度も出てくる「かむづかれる」が「噛み付かれる」だと判らなかったぐらいだ。
 「かむづかれたらその近くをナイフで切って少しでも血を出す。するとな、後が楽だ。かむづかれたらとにかく病院だ。変なことしないですぐに病院行ぐのがいい」
 講釈は三年前にも聞かされたが、今回凄いものも見せてもらった。
 「捕まえてペットボトルに詰めてから卵を産んだんだ。ボトルん中で子蛇を育ててるんだぞ。餌も何も与えてないのに」
 大五郎の大瓶の中にはうじゃうじゃと絡み合って無数のミニチュアマムシがうごめいている。ひー、なにこれ。しかも全部目が蛇の目だ(当たり前だって)。もう、見ただけで呪われそう。
 結構ヘビ好きなデビさんは、面白がって綺麗ですねなんて言っている。その間疲れたくららさんは、車の中で仮眠中だった。



店に入るとサービスでキノコを使った自家製のお茶を出してくれる。しかし味はお茶と言うより出汁の利いたお吸い物(それはそれで美味しい)



よく見えないと思うけど、この中にうじゃうじゃと十匹以上の小蛇が入っていた。




3-13ビアレストラン鳴子の風へ続く


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