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鳴子温泉巡り旅

13.白濁極上湯-東多賀の湯






 中山平から鳴子方面に戻る途中、くららさんが何もない場所を指さして、「以前はあそこにバスタブが置いてありましたよね」と言った。
 「ええもう、今はありません」と屋代さん。
 流石に温泉は好きでも野原にぽつんとあるバスタブは入れないかな。そう言うところでも躊躇せずに入れる人が真性温泉マニアかしら。
 他にも道々、ガソリンスタンドの湯のことなども教えてもらった。
 「確か、ガソリンを入れると入浴させてもらえるんでしたっけ?」と言う私に、
 「いえいえそんなことはありません。でも準備などのこともあるので、事前連絡していただかないと迷惑が掛かるのです」と屋代さん。
 また、混浴に関する話も。
 「行きたいところのひとつに、農民の家があります」と言うくららさんに、屋代さんは、農民の家はこの三連休最も混雑している宿の一つだし、おまけにいくつもある浴室の大半が混浴ですよと言う。
 実は丸進別館に行く前にも、くららさんと屋代さんは混浴についていろいろ意見の違いを述べ合っていたのだ。
 くららさんは混浴だと入りにくい。許されるならバスタオル巻でという意見(もちろんバスタオル不可のお風呂にバスタオル巻で入ると言う意味ではない)。
 屋代さんは、自称バスタオル巻撲滅委員だ。
 私はというと、最近混浴は別に怖くなくなってしまって、混浴でも混浴じゃなくても特に拘らないという感じ。これはこれで女捨ててるみたいでやばいかもね。





 「鳴子にはいろいろな色のお湯があります。次は白い所を案内しましょう」
 車が停まったのは東多賀の湯
 ああやっと聞いたことのある名前の宿に来た。
 流石に鳴子初心者の私でも、隣り合わせでお湯の色が全く違う東多賀の湯と西多賀旅館のことは聞いたことがある。
 東多賀は白、西多賀は緑。
 くららさんはどちらも入ったことがあるはずだ。

 駐車場はちょっと混雑していて心配になったが、何故か浴室は誰もいなかった。
 正方形に近い木造の浴槽は僅かに青みのある真っ白なお湯を湛えて、湯口も縁もお湯の流れていく床の簀の子も全て白いペンキを一度塗った後にはげてきたような味のある色に染まっている。
 こぢんまりとした感じの浴室だが、その分落ち着く。
 これはこれで顔がにんまりしてしまうくらい好きな雰囲気。
 白濁した硫黄泉には絶対岩じゃなくて木の浴槽、しかもこの小さめの正方形というのが何故かぴったり決まっている。
 今度のお湯はぬるめだった。
 もっと熱そうに見えたから、その辺は意外だった。
 硫黄の臭いが強い。火山性の刺激的な臭いでつんとくる。くららさんは油系の臭いもかなりすると言った。彼女は私なんかよりずっと鼻が良くて、温泉旅館の前まで来ると浴室に行く前からいつも、もう硫黄の臭いがするとか油の臭いがするとかコメントしている。
 湯口のお湯をちょっと飲んでみた。
 苦いなぁというのが第一印象。苦すぎはしないけれど、美味しいとは言えない味。やっぱり飲むならあすか旅館の源泉だね。
 ここはこう、一人で独占したい湯船。みんなでわいわい入りたい湯船もあるけれど、ここは一人で黙って入って静かに天井なんて見つめていたい。

 上がり湯専用の湯口もあって、そこからも源泉がどぼどぼと出ている。それを受けるために洗面器が置いてあるが、お湯はそこから絶え間なく溢れて流れていく。
 洗面器から溢れ続けるお湯って言うのが、ひとつ良い温泉として憧憬するイメージでもある。
 ここはその印象をたがえない、極上の温泉の一つだと思う。










2-14湯巡り途中でちょっと買い出しへ続く


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