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鳴子温泉巡り旅

12.清澄な美人湯-星の湯旅館






 次に屋代さんの車が停まったのは星の湯旅館というところだった。
 駐車場がただっぴろい感じ。
 旅館の建物は私が鳴子の温泉全般に持っているイメージとはかけ離れて、シンプルで小綺麗なプチホテル風だった。
 屋代さんの招くまま玄関を入って右手へ。
 外観同様小綺麗な浴室が待っていた。
 屋代さんは丸進別館の時と同様、ごゆっくりと言ってロビーへ引き返してしまった。

 木のお風呂だった。
 木造の湯船には、味が出てお湯の色に染まったり角が丸くなったりしているものが多いが、ここはまだお風呂も真新しい感じで、無色透明で清澄なお湯の雰囲気とばっちり合っている。
 洗い場の床も浴槽の底も壁の下半分も全部板張りだ。
 露天風呂ではないが窓も広く、ちょうど長方形の湯船のすぐ隣にあるので緑を眺めながら入浴できる。
 丸進別館の時と同様、二名ほど先客がいたがすぐに上がってしまって貸し切り状態になった。


間抜けにも外観の写真を撮り忘れた。もう温泉に入ることで頭がいっぱいだったもので(笑)。
だからこの画像は、杉江家のどこでも別荘のくららさんに許可を得てお借りしました。



 とにかくすっきり綺麗なお湯という印象だ。
 臭いなどはあまりしない。
 丸進別館で究極のぬるぬるを体験した後だっただけに、ここで口直しをしている感じだ。
 お湯の中で特に強い肌触りのようなものは無いが、お湯から上がると不思議とぬるぬるすべすべしてくるのが判る。
 屋代さんが、TVチャンピオン温泉王の郡司さんが「もし今、新三大美人の湯を選ぶとしたら絶対中山平温泉だ」と言ったと教えてくれたが、さすが単純泉でもこの実力。お湯自体がぬるぬるする温泉だけが美人の湯じゃないと言わんばかり。
 星の湯旅館という綺麗な名前や、鳴子らしくない(失礼)洒落た雰囲気などが、美肌効果と相まって女性に喜ばれそうな温泉だ。

 ところで私はこの星の湯旅館のお風呂、普通に入りやすい温度に感じて掛け湯しただけでささっと入ったが、何故かくららさんは「熱い熱い」と躊躇していた。
 そういえば丸進別館でもちょっと熱いと言っていたな。私は丸進別館はまったく熱く感じなかったのだが・・・やっぱり私が変なのか?
 飯坂温泉に続いて、どうも私がごく普通に適温に感じるお湯を他の人は熱いお湯に感じるらしい。
 飯坂の時はまだ、対象が男湯に入ったパパだったから、もしかしたら男湯と女湯で温度がかなり違ったのかもしれないし、あるいはパパがやけに熱がりになっただけかもしれないと思っていたが、ここにきて、間違いなく私が変わってしまったのだと知った。
 「熱さを感じなくなっちゃったんじゃない?」とくららさん。
 うーん、相対的な熱さは判るんだけど・・・つまりこっちよりこっちの方が熱いとかぬるいとか、そういうのは判る。でも自分にとって熱いとか熱すぎるとかそういう基準点が3度くらい上がっちゃったのかも。
 恐るべし、草津の時間湯







 ロビーに戻ると屋代さんが宿のご主人と歓談していた。
 ソファの横に温泉関係のガイドブックや雑誌が置いてあって、屋代さんは東北じゃらんを取り出した。
 「テレビで放映されても三日しか保たないけど、じゃらんなどの雑誌に掲載されると半年は保ちますよ。結構買った人は取っておいてね、時々見たりするんです」
 あっ、判る。私もたまにじゃらんとかるるぶとか買うと、思い出した頃に広げてみて次の候補に挙げたりする。まあ最近は雑誌自体あまり買わなくなってしまったが。
 「テレビの影響力はすごくて、放映直後はホームページのアクセスや電話での問い合わせとかじゃんじゃん来るけど、何しろあっと言う間に消えちゃうから、後に残らないんだよね」
 その東北じゃらんには星の湯旅館が掲載されていた。こういう小さな記事でも興味を持った人は後々からでも来るのだろう。
 さらに屋代さんは特集ページの鳴子峡に関する記載で無茶だと思うところを上げた。
 「7時30分頃にチェックアウト、8時の開門と同時に遊歩道散策って現実的じゃないですよ」
 しばらくそんな風に旅行雑誌の長所と欠点をそれぞれ揚げ連ねて話を弾ませた後、くららさんが星の湯旅館のご主人に、タオルは売っていないか伺った。持ってきたタオルが既に二ヶ所回ったところでびしょびしょになってしまったと言うのだ。
 するとご主人は、「もらいもので良ければ」と真新しいタオルを出してきて、お金は受け取ろうとしない。
 何だか申し訳ないやら有り難いやら。
 その後も、やれ湯の花や濁りは温泉劣化の証拠だからあればいいってもんじゃないとか、そんな話しをしながら星の湯旅館を後にした。
 星の湯旅館のご主人は、親切で話し好きな方だった。

2-13白濁極上湯-東多賀の湯へ続く


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