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鳴子温泉巡り旅

8.走る豪邸とミニテント











 実は道々、くららさんに一つのお願いをしていた。
 出発時よりさらに降雨確率が高まったということで、雨が降ったら子どもたちをトレーラーに泊めてはもらえないかというお願いだった。
 「いいですよ」
 ほ、ほんとにー?
 その一言で今まで雨予報の中、わざわざ遠い鳴子くんだりまでキャンプに行くって言う気がほとほと知れないと、顔にはっきり嫌だと書いていたパパが、そんなら2泊してもいいかもと突然態度を軟化させてきた。
 よし、よほどの豪雨でない限り、こうなったらキャンプ続行だ。

 デビさんがするするとトレーラーの天井部分からシート状の屋根を出した。
 もう何から何までかっこいい。
 それを見てパパは、ここだと思ったらしい。
 お願いして、シートの下に小型テントを張らせてもらうことにした。
 どこかのディスカウントショップで買ってきた2千円しないしろものだが、とりあえず大人二人が寝るにはちょうど良い。
 しかしトレーラーの屋根の下に安物のちびテント。
 この状態、どう見ても豪邸の前の犬小屋だね。


結局ミニテントはトレーラーの脇に移動。豪邸の前の犬小屋?



 私たちの到着前に準備してくれたドーム型のタープも快適だった。
 下は地面のままだが、中が広く5、6人は悠々とテーブルを囲んで食事をしたり飲んだりできる。狭くてもいいなら10人以上も詰め込めそうだ。
 もちろん雨風は凌げるし、夜も暖かそうだ。
 既にお昼を回っているのでパパはごそごそとV字コンロの準備を始めた。
 まずはお昼ご飯を食べなければ・・・。
 しかし、そこでちょっと逡巡する。
 今回、吹上高原キャンプ場を選んだ理由は鳴子温泉が近かったからだ。まあ近いと言っても片道20~30分掛かるのだが。
 だから私は鳴子温泉に入るのをとっても楽しみにしているのだが、パパはここでランチのためにコンロを出したら最後、作りながら食べながら飲み始めてキャンプ場から一歩も出ないだろう。こういう場合、お昼ご飯からそのまま夕御飯にもつれ込むのがいつものパターンなのだ。
 だから我が家の場合、キャンプ場についたら最後、もう車で移動して他の温泉に入りに行くというのはほとんど見込みがない。行きたければ途中で寄っていかないともう機会は巡ってこないのだ。
 ましてやこのキャンプ場は温泉付きだ。飲んだくれても歩いて行かれる範囲にお風呂があると思えば彼にとってはそれで十分。いやいや下手したら飲み過ぎて目の前のお風呂にすら入らないで寝てしまうかもしれない。
 ちらっと、くららさんの方を見ると、もうくららさんは鳴子に降りる気持ちは満々。できるだけ早く昼食を切り上げて温泉巡りに繰り出そうと思っているのが手に取るように判る。
 「鳴子の旅館は立ち寄り入浴午後三時迄のところが多いから急ごう」と、くららさん。
 「パパ、鳴子温泉に行く?」
 「行かない」
 やっぱり。でもまあその方がいいか。無理に急かせても文句しか言うまい。
 「あっ、私も残りますよ」意外にもデビさんもパパに同意した。
 というわけで、女二人組で下界に降りることとなった。
 子どもたちは最初はぎくしゃくと遠慮し合っていたが、すぐに打ち解けてニンテンドーDSで遊び始めた。これなら大丈夫かもしれない。
 「何時に戻って来るの?」とパパ。
 えーと、くららさんがさっきちらりと7時まで日帰りをやっている旅館のことを口にしていたから・・・
 「7時までには」
 「バカ言ってるんじゃない。6時には戻ってこい、6時だぞ」
 あーはいはい、戻れたらね。






くららさんちの宴会三点セット。
上から、樽ビール、宴会場(ドームテント)、本格生ハム




2-9鳴子温泉案内人の登場へ続く


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