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◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

24.初めての前方後円墳











 自転車を停めたところまで戻るとここにはもう一ヶ所見どころがあることがわかった。左へ進むと欽明天皇陵があるようだ。せっかく来たのだからここも見ていこう。
 欽明天皇は推古天皇や用明天皇の父、聖徳太子の祖父にあたる。
 すぐ近くの吉備姫王の墓が坂の上のこんもりした小さな丘にあったとしたら、こちらは白い砂利を敷いた平らな場所に、例の屋根つきの宮内庁の看板や二重になった柵、鳥居があった。
 鳥居を真正面に見て後ろに下がると、そこは吉備姫王の墓のある斜面になっていて石段がついていたのでそこに腰を掛けた。
 急いでいたこともあり、思ったより早くここまで戻ってきていたので、むしろ時間が余りそうな気がして、他に飛鳥駅近所で寄れる見どころは無いかとスマホを取り出してgoogle mapを開いた。

 えーと・・・現在地は欽明天皇陵で・・・

 えっ
 ええーっ






 鈍いと言われるかもしれないが、google mapで俯瞰してみて初めて気づいたのだ。
 天武天皇・持統天皇陵にしても、吉備姫王の墓にしても、柵や鳥居で二重に囲まれた中にああ、お墓があって埋葬されているんだなと思ったし、その囲まれた中に木々が植わっていて盛り上がっていたのでそこがお墓なんだろうなと思っていたけれど、そういう意味ではこの欽明天皇陵はすかっと柵の中に砂利の敷かれた何も無いスペースしかなくて違和感があったんだけど、これがいわゆる拝殿のようなもので、実はお墓はその後方に巨大なものがどーんとあったとは、想像だにしていなかったのだ。

 上からそれを見たら、私たちの目の前にあるそれは、鍵穴のような形をした前方後円墳だった。
 鳥居の向こう側にあるものが今やっと初めて目に入った。
 いやいや最初から見えてはいたのだが、意識していなかったそれは、それ自体が本体だったのだ。
 近づいてきたときに気になったため池のようなものは、前方後円墳の周りに掘られた周濠と呼ばれる水域で、その真ん中の鬱蒼と木の生い茂る丘はそれこそが陵だった。


鳥居のある柵で囲まれた白砂利のスペースじゃなくて、その後ろの島のような、小山のようなものこそが墳墓本体だったとは!?
しかも上空から見たらそれが鍵穴の形をした前方後円墳だったとは!?
まったく思っていなかっただけに、そのことに気が付いた時は衝撃的だった。



 これが私たちの初めての前方後円墳体験だ。
 奈良に古墳はとても多い。
 笑っちゃうほど多くて、ガイドブックを開くと見開き12500分の1の地図で目につくだけで8基ほどの前方後円墳が見つかるくらいメジャーなんだけれど、それでもこれが初めての前方後円墳だった。

 それにしても上空から見ないことには前方後円墳だって全然わからないじゃないか。

3-25岩屋山古墳と許世都比古命神社へ続く


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