◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
再度自転車に乗って・・・。この先はしばらく国道の広い道。
子供たちはさっさと通り過ぎようと思っていたけど途中でストップをかける私。
「今、看板があったよ。この先、天武天皇・持統天皇陵だって。寄ってみようよ」
子供たちに同意が得られたので道路わきに自転車を停め、丘の上に続く緩い石段を登った。
天武天皇と言えば中大兄皇子こと天智天皇の弟。
歌人 額田王を巡る三角関係とか、天智天皇死後の皇位を巡る壬申の乱とか、弟と言いながら兄の天智天皇より年上だった説とか、小説や漫画のネタには事欠かない。
高校生の頃はよく古代史好きの友人たちと天智天皇や天武天皇や周囲の人々のイメージを膨らませてあれやこれや楽しんでいた。
その天武天皇の陵がこの丘にある。
不思議だ。架空の物語の登場人物ではなく本当に実在したんだと改めて実感する。
日差しが強かった。
石段を昇るのに息が切れる。息は切れるけれどわくわくする気持ちの方が大きい。
石段の両側は春の野の花が咲く緑の芝生。
登っていくと丘の上はこんもりと木が茂っているのが見えてきた。
石段の上は平らにならされていて右手に昨日東大寺の近くで見たものと同じ屋根つきの宮内庁の注意書き札があり、中央は二段に盛られて一段目は垣根、二段目は石の柵で囲まれている。
両方に金属の門があり、二段目の奥には目立たない色の鳥居が建っている。
あの囲いの中が天武天皇とその皇后にして姪にして次代の天皇を継いだ持統天皇の陵墓。
こういう場所って神社のようにお祈りすれば良いのか、お寺のように手を合わせれば良いのか迷う。
私たちのすぐ前を昇っていた中年の女性二人組は元来た道を戻らず脇道に逸れていった。
どうもこの先へ続く遊歩道があるようだ。
私たちは自転車があるので石段を戻らなくちゃならない。
マップを見ると遊歩道の道とはまた合流するようだった。