◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
11.高松塚古墳に至る長閑なサイクリングロード
駅前のロータリーを出て高取川と車道を渡ると、もう正面の道はのどかな田舎道。
高取川の支流の桧前川に沿って桜並木。道幅は広いが直線ではなくゆるやかに蛇行している。
地図担当のカナに行き先を任せて後を付いていく。時々写真を撮っているのでどうしても最後尾の私が遅れがち。
しばらくこの道路を進むのかと思ったが、すぐに右に曲がった。右の道は舗装してあるが狭く、車は通れない。
田の間を通るあぜ道のようなところで、小川や桜や丘が見えて春の浅緑の田園地帯を描いた絵画の中に迷い込んだようだ。
分かれ道もあって地図を取り出して悩む。
正直なところ飛鳥はレンタサイクルで回る人が圧倒的に多いと思っていたので、もう少し看板などが分かり易いと思っていた。貰った地図もガイドブックに付いていた地図も実際の路上ではわかりにくい。自動車の道と違って道自体が曖昧なのだ。
「たぶんこっちかな・・・」
自身なさげに小川にかけられた橋を渡る道ではなく、緩い上り坂になっている方をカナは選んだ。
その道を進み始めてすぐに「高松塚→」と書かれた小さな木の看板を見つけてホッとする。こっちで合っているみたい。
いつの間にか道幅は少し広くなっている。
娘に任せきりでよく判っていなかったが、もうここは飛鳥歴史公園高松塚周辺地区の敷地の中で、高松塚古墳も高松塚古墳の壁画のレプリカを展示している高松塚壁画館もこの公園内にあるのだった。
道に覆いかぶさるようにして立派な桜の木が花を咲かせていた。
この桜を写生しているおじさんがいる。おじさんの近くに自転車を停める場所があった。
私たちはここに自転車を置いて高松塚壁画館に向かった。本物の壁画は見られないにしても、やはり高松塚古墳は飛鳥のメインだと思っていたので迷いもなく。