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◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

33.祈りの回廊と朝の勤行






 玄関から自動ドアを経て建物の中に入るとその明るさに安堵した。
 すぐに宿の人が出てきて受付をしてくれる。
 帳場に貼られた祈りの回廊 長谷寺の朝の勤行について書かれた紙が気になる。祈りの回廊って何だろう?





 廊下やドアは決して新しくはなく少しきしむものの、部屋は綺麗で特に古さを感じなかった。快適そうだ。
 荷物を持って部屋に案内してくれた仲居が切り出した。
 「朝の勤行は申し込まれます?」
 「あっ、さっき張り紙を見て気になっていたんですよ。初めて知ったんですけど、朝の勤行とはどういうものですか?」
 「朝早い法要に参加してありがたいお経を聞いたりするんですよ。せっかくいらしたんですしねぇ、もし悩み事や仏様にお願いしたいことなどあれば・・」
 「今からでも申し込めるんでしょうか?」
 「あっ、じゃあ確認してまいりますね」
 いったん仲居が姿を消してから急に不安になってきた。そういえば張り紙をよく読んでいなかったけど、参加する場合と見学の場合とあって料金が桁ひとつ異なっていたような。参加の予約になって急に三人分、計1万5千円と言われてもそんなに現金もおろしていないし。





 今度は別の仲居が来て、布団を敷きながらすまなそうにもう明日の受付は間に合わなかったと教えてくれた。
 「あのう、見学も予約制なんですか?」
 「ああいえいえ勤行の見学だけなら予約しなくても大丈夫ですよ。見学されますか? 見学はおひとり500円です」
 「あっ、見学でお願いします」
 仏様には申し訳ないが私はちょっとホッとした。あとの問題は時間の調整だけだ。

 最初の予定では昨日のうちに長谷寺を拝観するつもりだった。
 夕方長谷寺を拝観して、長谷寺周辺で夕食を取り井谷屋で宿泊するつもりだったが、長谷寺にも長谷寺駅にも夕食を食べられる店が見つけられなかったので、結局長谷寺に来る前に夕食を食べ、長谷寺拝観は翌朝にする計画になった。
 ちなみに最初の予定では早めに長谷寺に移動してこなくてはならなかったため、午前中のうちに奈良駅周辺から大神神社に移動するか、あるいは移動が遅れたら大神神社は最終日にまわすつもりだった。

 だから今の計画では、今日はできるだけ早く、拝観時間になったら一番に長谷寺に行き、そのあとは飛鳥に移動する。
 飛鳥では高松塚古墳や巨石遺跡をレンタサイクルで回るつもりだったので、本当ならまる一日そこに費やす予定が長谷寺とセットになり時間が短縮されたため、とにかく急ぎたかった。

 飛鳥の後はまた、今夜の宿泊地である吉野まで移動しなくてはならない。
 どうも私とカナがプランニングするとぎりぎりまで詰め込んだ余裕のないみっちみちの計画になりがち。

 仲居は勤行は7時からで、そのあと長谷寺を散策して帰ってくるとしてだいたい1時間。8時から朝食にしてはいかがと提案した。
 もともとの長谷寺の一般拝観が8時半からだったから、その前に朝食を取って長谷寺見学の後は真っ直ぐ飛鳥に向かう計画はちょっと後ろにずれるが、まあいいかなと私はそれで朝食時間などお願いした。





 これで全部計画が固まったと思ったが、しばらくして部屋の電話が鳴った。
 フロントから電話してきたのは先ほど布団を敷きに来た仲居で、さっきは7時からと伝えたが、4月1日から夏時間になって朝の勤行は6時半からだったとのこと。
 私としては早ければ早いほど都合がよい。
 早起きは辛いがスケジュール的にはありがたいのでむしろ助かったと伝えた。

2-34長谷寺温泉へ続く


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