◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

21.万葉まほろば線

　ならまち工房を出たのが2時半。
　思ったより遠くまで歩いてきてしまったし、駅に着いたらコインロッカーから荷物を出したりしなきゃならないからそろそろ戻ることを考える。
　次の移動先はJR万葉まほろば線の三輪駅。
　JR奈良駅発3時15分の電車に乗るつもり。
　何しろローカルな路線なので一本逃すと次の電車は40分後。
　この万葉まほろば線という名前は愛称で正式には桜井線と言うが、最初はガイドブックやネットで両方の名前が併記されずバラバラに使われているのを見ていたので同一の線だと思わず混乱した。

　朝、バスに乗って春日大社に移動して、その後随分長い距離を歩いたので自分がどのあたりにいるのかよく判っていなかったが、地図担当のカナがならまちからならJR奈良駅まで遠くないと言うので、再び疲れた足に鞭打って歩くことにした。
　確かに後で地図を見ると、近鉄奈良駅から南に降りてきていて、ここから西に歩けばJR奈良駅に着く。近くは無いが、バス停を探すほどでもない。

　さっき元興寺の入り口前を通った広い通りを西へ向かってひたすら歩いた。
　ぽつぽつと寺はあるが、この道は観光地然としているわけでもなくそれほど面白い道ではない。
　しばらく歩くとJRの高架が正面に見えてきて、右手にコンフォートホテル奈良が見えた。この辺は建物は大きいが駐車場や空き地が多く、駅の近くなのに裏寂れている感じがある。少なくとも近鉄奈良駅周辺のような賑わいはまったく感じられない。
　高架の手前で右に曲がるとすぐに駅舎があった。駅の真ん前まで来ると朝見た景色が待っていた。

　JR奈良駅に着いたのは3時少し前。トイレに寄ったりしていればちょうど良いくらい。
　最近は関西でも関東のパスモやスイカが使えるはずだが、嫌な予感がして子供たちをコインロッカーのある待合室に置いて改札を見に行った。
　すると改札にはこんなボードがあった。
　「和歌山線・万葉まほろば線をご利用のお客様へお願い。
　JR西日本をご利用いただき、ありがとうございます。
　和歌山線・万葉まほろば線をご利用の際はあらかじめ目的地まで切符をご購入いただきますようお願いします。
　車内で不足運賃等をお支払いの場合は車内に提示の運賃表をお確かめのうえ、お支払いください・・・」
　よくわからないけど「切符を買え」ってことは万葉まほろば線ではパスモが使えないってこと？
　今思うと単に清算機が無いっていう意味にも読めるが、ぎりぎりでばたばたするのも嫌なのでとりあえず三輪までの切符を買った。これで文句は無かろう。

　ホームに上るともう青緑の電車が停まっていた。
　カナがこの電車短いねって言う。2両編成かな。運転席の後ろにはバスにあるような回数券や整理券を入れる運賃箱が付いていた。これだから切符は目的地まで買えって強調していたのか。
　さらにカナがびっくりしたように、この電車トイレが付いてるって言った。これは私もびっくりした。決して長い路線じゃないのに各駅停車なのにトイレ完備なんだ。なんかすごいな。