6.朝の春日大社
南門は開門していたものの、入ってすぐ正面の幣殿と舞殿は閉まっていた。
この先に入るための特別参拝の受付がまだクローズ。巫女さんたちがせわしく歩き回っていたが、入れないのでは仕方ない。このまま左に折れて砂ゆずりの藤の藤棚の下を通り、慶賀門へ抜ける。もちろんまだ藤は咲いてない。
慶賀門から西回廊をのぞくと、右側は木造そのままの建物に青銅の灯篭がずらりと吊るされ、左側は屋根から柱まで朱塗りの建物に金色の灯篭がずらりと吊るされ、ちょっと不思議な空間になっている。
時刻はまもなく朝の8時だ。
まだまだ普通の店が開く時間じゃない。お腹は空きすぎてむしろ感覚が無くなってきた。でも楽になったと言うよりも、体力が削られているだけのような気がする。本当にこんなことならJR奈良駅前でコンビニでも探して何か買ってくるんだった。後悔先に立たず。