31.真夜中の警報
夜景は天下一品だったが、温泉そのものはあまり期待しない方がよさそうだ。
大浴場に行くためにはフロントの階でエレベーターを乗り換える必要がある。
稲佐山温泉ホテルアマンディの浴室は、バリ風と和風の二つがある。週単位で男女入れ替え制なのだが、この日女湯はバリ風だった。
部屋のとても洒落ていた様子からすると、浴室に至るまでのルートは、またもやロビーやフロントのような大衆的な作りに思えた。
大々的に日帰り温泉として売り出しているだけあって、畳の休憩室なども完備しているが、思ったほど浴室は広くは無かった。
浴室の中央に御影石でできた円形の浴槽があるのがちょっと変わっている。
それほど大きいものではなく、向かい合って3、4人といったところか。
浴室内には他にも浴槽があったが、どの辺がバリ風なのかよく判らなかった。
露天風呂は二つ。
こちらは両方ともバリを意識しているのがよく判る。
片方には水瓶を支え持つ女性の石膏像が二体、もう片方には象の頭を持つヒンドゥー教のガネーシャ神が一体飾られている。
でもバリ風なのはそのくらいだ。
今は夜で暗いからよく判らないだけで、昼間明るい所で見たらもっとバリ風なのかもしれない。