11.もうひとつの共同浴場
石垣の隣に木の壁があって、並んで二つ、同じ大きさのドア。
いかにも男女それぞれの入り口だったっぽい。
ドアの間の上部には、湯気抜きと思われる小窓がついていて、斜めに開けられているが、そこには沢山つららが下がっている。
ただドアの一つが既にぼろぼろになっていて、現役とは思えない様相を帯びている。
鍵がかかっているかとノブを回してみたら、あっさりとドアは開いた。
中は剥がされた板、梯子、樽、その他・・・工事現場の廃材置き場のようになっていた。
風呂場の名残は無い。
どうもこの共同浴場は廃止されてずいぶんと経つようだった。