二日目 2005年7月17日(日) |
いいお酒を時間を掛けて飲んでいたせいか、朝はすっきり目覚めた。
全然体内にアルコールが残っていない。
心配していた夜中の雨もなく、テントの中が明るくなると自然に目が覚めた。
朝食はだださん特製スープやyuko_nekoさん特製パスタ、各々適当にはさんだサンドイッチなど。
出遅れて特製スープは食べ損ねてしまったが、パスタのトマトとバジルが絶品。どちらも昨日、yuko_nekoさんたちが自分たちでつみ取ってきた新鮮な素材だ。
昨日がっちゃんが組み立てた自立式のハンモックを見て、うちのハンモックのことを思い出した。
実は私たちもハンモックを持っているのだ。
パパが昔、出張で行ったアメリカで買ってきたもの。確か6、7ドルだったとか。
ただ、どこでも使える台のある自立式と違って、本当にただの紐を編んだだけのハンモックなので、適度な距離に木が立っているとか、限られた条件でないと設置できない。
だからまだ使ったことがなかった。
そうだ、ここは林間サイトだから設置できるんじゃないかしら。
パパが荷物の中からハンモックを出してきた。
それを見てyuko_nekoさんはあまりにコンパクトなのでびっくりしていた。
何しろただのロープの固まりだから、紙の箱に入って両手の平に乗るくらい。
だださんとパパが両端を木に縛り付けてみた。
ロープ一本とってみても、がっちゃんの自立式ハンモックよりよほど華奢だ。本当にこんな簡単な作りで大人の体重を支えることができるんだろうか。
でもちょっと面白そう・・・と思ったので、一番先にトライしてみた。
中央に腰掛けるように座って、それから両足を持ち上げる。
おおっ。
気持ちいいじゃん。
風通しが良くて、緑の梢が見える・・・。
こりゃあいいや。
昨夜、スクリーンタープの中で、「酔って乗ると気持ち悪くなる」と言っていただださんや晶さんも試してみて、なるほどこれはいいとみんなで顔を見合わせた。
たぶん空が見えるのがいいんじゃないか。
ということで、自立式ハンモックもタープから出して、アメリカ製ハンモックの隣に据え付けた。
この二つはそのまま子供たちのブランコにもなった。
さて、またもや朝からうだーうだーと何をするでもなくテーブルの周りに適当に座ってあれやこれやおしゃべりばかりしていた我々だが、とりあえずどこかみんなで温泉に行こうということに決まった。
えんぴつさん、消しゴムさん、紺碧七さんは1泊だけの参加なので、温泉までは一緒に入り、それからお別れすることになった。
しかし、どこに行くかでまたもや全員で優柔不断状態。なぜなら・・・
お湯遣いの悪いところは嫌だ
ここから近いところが良い
お値段も安い方がいいな
できればまだ入ったことがない温泉
評判悪いところには行きたくない
連休の真ん中だから、宿泊客中心の旅館は避けた方が良さそう
暑いからぬるいお湯に入りたい・・・
要するに、あまりにもみんなの出す条件が多すぎて、クリアする施設が存在しないのだ。
昨日我が家は
諏訪の湯に入っているし、yuko_nekoさん一家は
湯テルメ谷川に、えんぴつさんと消しゴムさんは水上温泉の藤屋に入っている。
みんなで行くならそれは外したい。
宝台樹から一番近いのは
宝川温泉か藤原温泉郷の嶺久館だろうとだださんが言う。
宝川温泉は良いのだが料金がネック。
我が家は紅葉の時期に入ったことがあるが、景色とぬるさは申し分ないものの、家族連れで入るとお財布への打撃は大きい。
いろいろ話し合った末、結局宝川温泉に行くことにした。
晶さんやえんぴつさんたちも未湯で、興味があるというので。
パパは既に朝から飲んだくれているので、がっちゃんの車にうちの家族は乗せてもらうことにした。
車三台で宝川温泉に向かう。
途中、宝台樹スキー場やパラグライダーのコースが見えた。
宝川温泉の駐車場は混んでいた。
大人1,500円、小学生以上1,000円という高額料金にもめげず、日本最大級の混浴露天風呂は大繁盛していた。
既に時間はお昼近かったので、どの露天風呂にも入浴客が鈴なり。
ここは四つ、巨大な露天風呂があり、そのうち三つは混浴、一つが女性専用になる。
広さは全部で450畳。それが利根川の支流、宝川の両岸にほとんど丸見えの状態で並んでいる。
もうとにかく有名どころ。
泉質がどうの、混浴がどうの言わずここまで来たらみんなで入るしかないだろう、そんな露天風呂。
前回来たとき(
今度こそ紅葉の温泉を探せ 榛名湖日記7参照)は、摩訶の湯と般若の湯にしか入っていない。この二つは脱衣所を挟んで隣り合っているので移動も簡単なのだが、少し離れた女性専用の摩耶の湯と川向こうの子宝の湯は外気温が低かったことやギャラリーが多かったことから行くのをやめてしまった。
今回は全部、入れるだろうか。
昨日キャンプ場に泊まって、みんな体を洗ったり洗髪したりしていない。
受付で聞いてみたら、カランやシャワーがあるのは内湯だけだというので、まずは内湯に行ってみることにした。
前回は直接露天風呂方面へ向かったから、建物の中に入るのは初めてだ。入り口に人相の悪いぺこちゃんが立っている。
人の流れに乗って二階に上がると、階段の左手に休憩室。
あれ?内湯はどこだろう。
とりあえず休憩室にだださんとパパが上がり込む。
「洗うんなら行ってくれば? 自分はここで待ってるから。あがったらみんなで露天風呂の方に行こう」
・・・それって、パパは洗わないつもりかい・・・。
内湯の場所が判らなかったので、途中にある厨房のようなところで聞いてみた。
すると、入ってきたのとは別の階段を下りて、自動販売機のところで左に行くようにと教えてもらえた。
宝川温泉といえば露天風呂。
内湯はずいぶんと目立たないようだ。
教えられたとおり階段を下りて自動販売機のところまで来ると、やっと表示があった。左へ進み靴を脱ぐ。
みんな露天風呂へ行ってしまってこちらは誰もいないかと思ったが、内湯もそれなりにお客さんが入っていた。
とはいえ脱衣所も浴室もとりたててこれというものは無い古さ。
ちゃんとシャワーとカラン、シャンプー、リンス、ボディーソープは備え付けられている。
子供たちを洗ってから入らせた。
二槽に別れていて、向かって左側が熱め、右側がぬるめだ。
わずかに茶色っぽい湯の花が舞っているだけで無色透明。
臭いは前に宝川温泉に入ったときにも感じた温かい湯か沢水のような臭いしかしない。
パパが待っていると思うとあまりのんびりはできない。
ここではやはり露天風呂がメインだし、と思い、急いで上がり着替えた。
yuko_nekoさんもすぐに出てきてえんぴつさんも続いたが、晶さんだけはまだ入っているようだ。
「私が子供たちと一緒にパパを迎えに行ってくるから、yuko_nekoさんたちは晶さんが出てきたら先に露天風呂の方へ行っていて」
「じゃあ熊の檻の辺りで待ち合わせよう」
息を切らせながら休憩室へ戻ると、だださんはいなくてパパだけが所在なげに待っていた。
だださんは一人でお風呂に行ってしまったそうだ。
再び階段を下りて、今度は露天風呂の方へ。
前にも見た民芸品、骨董品の並ぶ通路を進むと、途中に改札があった。
入浴料も払わずタダで入ろうとする不届きものでもいるのか、入浴券をチェックするのだ。
改札の手前で慌ててタオルなどを入れている袋を探った。
その間にパパは子供たちとさっさと進んでしまった。
改札係のおじさんは、入浴券の確認をするとともにくじ引きをさせてくれる。このくじ引きはしょっちゅう行われているらしいが、前回来たときにはやっていなかったので初めてだ。
手を突っ込んで、最初に触れた青い紙を出した。
開いてみると・・・他の紙には1とか2とか数字の印が押してあるのに対し、自分の引いたそれは汚い手書きの鉛筆書きで「露天風呂2」と書かれていた。
なんじゃこりゃ? と、思ったら、
おじさん「大当たり、特賞だ、入浴券2枚で3,000円分だよ」
えっ、うそ、本当に?
通路の先にいた家族を呼ぶ。
「当たったって」
「レナも当てたよ、一等」
レナは一等の商品からぬいぐるみを選んでいた。
「私のは特賞だって。宝川の入浴券2枚」
「やるなぁ・・・でもどうせなら、今回の入浴料をタダにしてくれればいいのに」
「売っちゃえばいいじゃん」
「・・・げっ」
子供たちはくじ引きより熊に会いたくて仕方ない。
特にちび姫ちゃんは宝川に来たときから「本当に熊がいるの? 小熊もいるの? どこで会える?」と、もうわくわく。
カナは、レナだけがぬいぐるみを引き当てたのでちょっと機嫌を損ねている。
通路を出て少し行くと、熊の檻がある。
大きな熊と中くらいの熊がいるのが見えたが小熊はよく判らなかった。
前に来たときは小熊二匹が檻の中ではなく川沿いに繋がれてじゃれていたが、今日はそういうことはないようだ。
ちび姫ちゃんはもっとゆっくり熊を見ていたがったが、直接内湯から露天風呂に向かったはずのみんなの姿が見えなかったので、私は思わず子供たちを急かした。
みんなもう、露天風呂の方に入っちゃったかもしれない。
宝川の周囲は夏の緑に染まっていた。
川の両岸は木々が生い茂り、せせらぎが白い飛沫を上げている。
ここは本当に四季折々、絵になる露天風呂だ。
最初に見える摩訶の湯の脱衣所入り口に、変質者が一人立っていた。ばかばかしいので無視して通り過ぎる。
後ろでは他の複数の男性が「あいつ、おかしいんじゃないか」、「馬鹿だぜ、馬鹿」なんて言っている声が聞こえた。
ホント、せっかく景色の良い露天風呂なのに雰囲気台無しになっちゃう。
お風呂まで来たけど、yuko_nekoさんたちの姿は見えない。
遅れていると思ったが、どうも先に来てしまったようだ。
パパが、「子供たちを脱がしてくれれば先に連れて入っているから、あなたはyuKo_nekoさんたちを待っていれば」と言ってくれた。
そこで女性用の脱衣所で子供たちを脱がせた。
ここは男女別の脱衣所があるのは有り難いが、女性用は笑っちゃうほど狭い。後から知ったが、女性は女性専用の摩耶の湯脱衣所を使うのが賢いようだ。
ほとんど待たずにyuko_nekoさんとがっちゃんがあらわれた。
晶さんとえんぴつさん、消しゴムさんは一休みしてから露天風呂に来るという。
がっちゃんも私同様、宝川の入浴券2枚を当てたらしい。
子供たちはもうパパと入っていることを伝えて自分はトイレに行くことにした。
yuko_nekoさんも脱衣所入り口でわざとらしく外側向いて仁王立ちしている変質お馬鹿さんに鼻白んでいた。
何だかお風呂に入る前に何かと走り回っているなぁ。
とりあえず狭い脱衣所でタオル巻になる。
宝川温泉の混浴はバスタオル巻可だ。巻くためのバスタオルも100円でレンタルしている。バスタオルを持参していない人だけでなく、自分のタオルをびしょぬれにしたくない人にもお役立ちだ。
脱衣所の外に出ると、既にのぼせかけた子供たちとyuko_nekoさんが摩訶の湯と般若の湯の間にある水飲み場で休んでいた。
秋に入ったときにはあれほどぬるく感じた宝川のお湯だが、流石に真夏にはそれなりに熱かったらしい。
子供たちはパパと浅い般若の湯に入るというのでyuko_nekoさんと二人で橋を渡って川向こうの子宝の湯に行ってみることにした。
子宝の湯は二階に休憩室がついていて日陰があるし、200畳サイズと一番広さも広い。
タオル巻姿で橋を渡っていると、ようやく晶さんたちがあらわれた。
しかし、晶さんもえんぴつさんも女性専用摩耶の湯に消えてしまって、またしばらくあらわれなかった。
子宝の湯に入ってようやく一息つけた。
露天風呂に入るまでがこんなに長かったとは。
子宝の湯も満員御礼。カップルやら男性グループやら目のやり場に困ってしまう。
女性はみんなしっかりタオルを巻いている。
やっと晶さんとえんぴつさんが摩耶の湯から出てきた。
「打たせ湯だけはたまご臭で良かったけど、浴槽はまるで循環を疑うようなレベルのお湯だった」とのこと。
子宝の湯の方が状態が良いと二人は口々に言っていた。
晶さんは正統派バスタオル巻。
えんぴつさんは上の方を外側に少し折り返した変則巻き。こうするとはだけにくいのだそうだ。
私とyuko_nekoさんは端からゴム入りバスタオル。子供がプールの時に使うようなあれだ。
たぶんこのゴム入りは混浴露天風呂に幻想を抱く男性陣からは不評なんだろうな。色気もなにもありゃしないから。
でもいいところもあるんだよ。
何しろこれは掛け湯のできるタオル巻なんだから。
上のゴムをびろーんと伸ばしてお湯を掛けることができる。
これでタオル巻女は掛け湯もしなくてばっちいとは言わせない。
それからみんなでおしゃべりに花を咲かせながら、般若の湯、摩訶の湯へと移動した。
途中で晶さんとえんぴつさんが、対岸を歩く怪しい男性を発見。
「見て、犬の散歩させてるよ。お風呂丸見えじゃない」
客なのか、従業員なのかと思ってみると
「あれ、犬じゃないよ、小熊だ」
「えーっ」と一同。
子供たちがわーっとお風呂から上がり川沿いの柵に取り付く。
「本当だー」
「熊ちゃんだー」
「かわいいー」
宝川の小熊はくーちゃんとまーちゃん。ひねりも何もないネーミング。
露天風呂から小熊の散歩が見える。
やはり流石は宝川。
余所の温泉とはちょっと違う。
最後にメインの摩訶の湯へ。
ここもかなり広い。
ざばざばとみんなで中央目指してタオル巻で歩く。
あれ、一番奥の方が前来たときと少し違っているようだ。
一昨年来たときには湯口のところは長い樋になっていて、それもあってよりお湯がぬるく感じたのだが、今はお坊さんのような漆喰像の足下からお湯が出ている。
そしてその湯口のところに近づくと・・・
「あれっ、ゆで卵臭だ」
浴槽ではちっとも臭わないのに、湯口のところだけゆで卵の臭いが漂っている。
前に来たときも感じた。
あのときは湯口でも臭わず、何故か露天風呂の手前の遊歩道で臭っていた。
これだこれ。
何だか活きた源泉という感じ。
女四人、湯口の周りを取り囲むように腰を下ろす。
「これだよねぇ」
「ここが一番鮮度感有るよ」
「ちょっと熱いけど」
「この一番奥の湯口の周りが本当の宝川温泉って感じだねぇ」
さらにその右手にちょっと高くなった湯船がある。そこにも登ってみた。
湯口が二つ。
他に入浴客がいるにも構わず四人で代わる代わる湯口の前に詣でてお湯を手ですくっている。
・・・思いっきりへんてこりんな宗教集団みたいだ。
お風呂の後は昼食。
ちょうど宝川温泉を出たところに自家製ラーメン武尊という店がある。
ほとんど宝川温泉の入浴客目当てのような立地条件だ。
えんぴつさん、消しゴムさんとは宝川温泉で別れ、手を振って消えた紺碧七さんもここでお別れかと思ったら、彼は車を取りに行っただけでラーメン屋で追いついてきた。ごめん、置いてっちゃって。
子供たちがどのくらい食べるか見当が付かなかったので、家族四人分として塩ラーメンをひとつともやしラーメン大盛りをひとつ頼んだ。
これは失敗だった。
一人前の塩ラーメンだけでもすごいボリューム。
大盛りに至っては二たままるまる入っている。
思わず悲鳴を上げてしまった。
でも味は美味しいし店の人も感じがよいので結局残さず平らげた。
もうお腹は破裂しそう。
食後に紺碧七さんともお別れした。
キャンプ場に戻ると、yuko_nekoさんとがっちゃんは地面に足もつけず、そのまま岩魚の買い出しに出かけていった。
子供たちはハンモックで遊んでいる。
晶さんはコットの上で、パパはテントの中で昼寝を始めた。
起きているのは私とだださんだけだ。
この日記でも書こうとパソコンを取り出したところで今夜一泊する新たなお客さん、バイク乗りのkazuさんが登場した。
kazuさんとも初対面。
kazuさんはおニューのテントを立てるつもりでいたが、だださんが「紺碧さんが使っていたテントが今晩は空くから」の一言で、あっさり設営中止に踏み切ったようだった。
その後さらに来客があった。
ちょうど裏山の方に出かけていた子供たちが戻ってきたときだった。
カナが最初に走ってきて、「レナが泣いてる」と言う。
レナはべそを掻きながらちび姫ちゃんに手を引かれて歩いてきた。
怪我は大したこと無い。転んだときに手の平をちょっと傷つけただけで、一応消毒して絆創膏を貼っておくことにした。
絆創膏を探しに車の中をごそごそやっていたら、どこからか「よしかさん、よしかさん」と呼ぶ声がする。
どこかで聞いたこと有るような無いような・・・。
タープの方を振り返っても晶さんがぐっすり寝ているばかり。
空耳?
いや、現実だった。
呼んでいたのは某先輩(本人の要望により匿名とさせていただきます)だった。
このキャンプには参加しないということだったが、枝豆とメロンを手みやげにわざわざ様子を見に来て下さったのだ。
昼間にも一度来てみたが、ちょうど宝川に行っていた我々は留守だった、がしかし、袋にぎっしり詰め込まれた空の酒瓶の山を見て、このタープに違いないと確信し土産を置いておいたのだそうだ。
そ、そんなに飲んだかな・・・。
頂いた枝豆を茹でて、今夜の夕食であるカレーを準備していると、やがてyuko_nekoさんたちが戻ってきた。
買い出しついでに私たちが昨日入った諏訪の湯にも寄ってきたという。
「宝川温泉より良かったかも」
あはは。
今夜の友は昨日の酒に加えてkazuさんが携えてきた八海山、yuko_nekoさんたちが買ってきた2004ビンテージの純米酒水芭蕉、そして私たちの持ってきた
オーストラリアのマルベリーで作ったトロピカル・ポートワイン。
がっちゃんが串を刺した岩魚もよく焼けた。
今回は本当にグルメなキャンプ。酒とつまみにはことかかない。
先輩は芳しくない体調など諸事情により、みんなに惜しまれながらもカレーを食べたところで夜になる前にさよならした。
今宵の酒の席での一番の笑い話。
気が付くとパパがどこからか骨酒用の夫婦岩魚を出してきた。
自分は骨酒はあまり好きではないので黙って見ている。
どうも日本酒が無いと言っているらしい。
いい日本酒はあるのだ。八海山とか、水芭蕉とか。でも骨酒にしてしまうのはちょっともったいない。
パパは焼酎で試してみることにしたようだ・・・。
しかし・・・。
飲んだみんなは神妙な顔。
「なんか違う」
やはり日本酒でないと駄目なのか。
諦めないパパは、醤油をたらしてみたりいろいろ試してみたが、何をどうやっても違うらしい。
みんなはてんでに「岩魚が浮かばれないよ」とかなんとか勝手なことを言っている。
そのうちに何故かプロジェクトX風のナレーションで口々に
「誰もが諦めかけたそのとき、そうだ、焼酎が有るじゃないか!と、よしかパパはポンと手を打った」
「しかし、失敗に終わった」
「どうしたらいい・・・チームは再び行き詰まった」
「醤油をたらしてみたらどうだろう、ふいに新しいアイデアが生まれた」
とかなんとか、言い始めた。
もう酔っ払い集団抱腹絶倒。
「同情なんか、いらないやい!!」とパパ。
それから晶さんが用意してくれた花火で子供たちを遊ばせて、寝かせることにした。
レナとちび姫ちゃんはあっさり寝たが、意外にもカナが寝付けなかったようだ。
ぐずぐず言っていると他の二人にも迷惑なので、テントの外に連れ出した。
パパが「眠くないなら寝なくていいよ」と言って、炭の番と肉を焼く係りに彼女を任命した。
結局カナは11時まで起きていて、みんなに焼いてくれてありがとう、美味しかったなどと言われてまんざらでも無さそうだった。
とにかくカナは、レナさえいなければ、いつも借りてきた猫のように大人しい。
そして大人はといえば、やっぱり昨夜同様夜中過ぎまで飲んだくれていたのだった。
最終日へ続く・・・