子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > 信州高山温泉郷で夏休み > 3-12根性のクサヤ焼き

◇◆信州高山温泉郷で夏休み◆◇

12.根性のクサヤ焼き






 私とがっちゃんは見かけは全然違うけど、味覚の好みはとてもよく似ている。
 私が美味しいと思う食べ物はがっちゃんも美味しいと言うし、がっちゃんが旨いよというお酒は私も旨いと思う。反対に苦手な食べ物も一緒。だからがっちゃんが勧める食べ物にはハズレが無い。
 一方、パパとyuko_nekoさんの好みもまったく同じだ。二人が美味しいと思うものも共通だし、飲みたいと思うシチュエーションや酒量も似ている。


松川渓谷温泉に戻ってきた



 そんなパパはyuko_nekoさんのために、くさやを持参した。
 私はくさやが大嫌いだ。
 くさやと言うのはいわゆる魚の干物で、ただの干物ではなく、くさや液というものに漬け込んだ干物だ。このくさや液というのがくせ者で、死ぬほど臭い。腐りきった臭いがする。
 それを食べると臭いが臭すぎるのはもちろん、口の中に入れたとき吐きそうな臭いが喉から鼻に上がってきて、なんでこんなものを食べなきゃあかんのだと、いきなり関西弁で怒鳴りそうになるくらい許せない食べ物だと思っている(もちろんドリアンも駄目)。
 でもパパはくさや好き。
 yuko_nekoさんもくさや好き。
 家では誰も賛同してくれないので、今回yuko_nekoさんと食べようとくさやを持ってきたのだ。

 いくら自炊宿でも厨房でくさやを焼くのは禁止。
 私だけじゃなく、宿にいる人全員にとって大迷惑だ。
 彼もそこのところは自覚している。外に出て、駐車場の片隅で、カセットコンロを使い焼き始めた。


クサヤは外で焼くべし。絶対中で焼かないでよっ(怒)


どんなシチュエーションで焼いているかと言うと・・・実はこんな場所で。



 そこまでは良かった。
 まあ、私としては焼くだけじゃなく、食べた人が同じ部屋にいるのも個人的には許可したくないが、外で焼くのまでいちゃもんつけるつもりはない。
 ところが私が部屋に入ってしばらくすると、屋根に雨の当たる音が聞こえてきた。
 「雨降ってる!!」
 慌てて外へ出てみると・・・。

 意地でパパがくさやを焼いていた。
 ぽつりと一人で暗闇の中、傘を差してしゃがみこみ、くさやを焼いていた。
 もう勝手にして。


雨の中、傘をさして哀愁漂うクサヤ焼きなり
(ゴメン、笑ったよ)




3-13味の好みはいろいろへ続く


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