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◇◆がんばれ新潟◆◇
四万温泉と雪国古民家の旅

19.混浴露天風呂 幻の湯竜宮











 「ぬるいんだよね」とパパが言った。

 先ほどの森のこだまだけじゃなく、私が共同浴場めぐりをしている間に一人で入ってきた甍の湯もそうだったらしいが、四万たむらのお湯がぬるすぎると言い出した。
 元来四万のお湯は熱い。
 しかしたむらでは快適に入浴できるように加水して温度調節している。
 「女湯は熱くはなかったけどそんなにぬるくもなかったよ」
 「もっと熱いお湯に入りたい。どこか熱いのは無いのか?」
 「・・・四万たむらの中で今まで入った中では・・・竜宮の湯が一番熱かった」
 「じゃ、そこ行ってみる」

 子どもたちを部屋に置いて、私たちはタオルを手に花涌館を出てたむら本館に向かった。
 日が暮れて、気温がかなり下がっている。
 さくらプールの横から外に出ようとすると、パパがさっきここを通ったけど通行止めになっていたよと言い出した。
 「うっそー」と言いながら、身を縮めながら歩いていくと、パパの言う通行止めの看板は無かった。
 「さっきはあったんだよ」
 ふと傍らを見ると、横によけられた看板が。
 記されているのは、落雪のおそれがあるので注意しろという言葉。
 なんだ通れるのかとパパはひとりごちて先へ進んだ。


正面が混浴露天風呂 幻の湯竜宮。川が増水すると水に沈んでしまうので幻の湯という名がついている。右のガラス張りの中は男湯の大浴場 甍の湯(ちなみに女湯の甍の湯は男湯の2階になる)。



 明るいうちは女性は竜宮には入りにくい。
 なぜなら本当に簡易な脱衣所がしつらえてあるだけの川沿いの混浴露天風呂で、おまけにすぐ後ろには男性用大浴場である甍の湯がある。
 甍の湯の広く取られた窓からは、一段下がったところにある竜宮は見えないとは思うが、逆に竜宮へ向かう女性からは甍の湯がまるみえになるわけで、そんなのちっとも嬉しくない。のぞきに来たかと誤解されるのも嫌だし。
 今回も甍の湯の方を振り向かないようにして、竜宮までやってきた。

 竜宮はお風呂が二つ並んでいる。
 確か一方は水着可で、もう一方は裸浴用ではなかったっけ。
 すぐ手前がプールだから、プールに入れる季節は水着浴槽にも需要があるのだと思う。
 パパは竜宮の立地を見て、これなら大浴場の甍の湯で脱衣して来た方がいいやとつぶやいた。
 ずるいぞ。男にはそんな手もあるの?。
 この吹きっさらしに近い竜宮の脱衣所を使うのは、女性にこそハードルが高いのに。

 パパが階段を下りて、湯加減を見に行った。
 すると見下ろしている私の足元から「こっちは熱いよ」という声がした。
 気付かなかったが男性が一人入っていたようだ。
 ちょうど角度的には見えない場所にいたので私はホッとした。

 パパが階段を上がって戻ってきた。
 「全然だめ。ぬるすぎ」
 入浴中の男性にはちょうど良かったようだが、パパの期待したようには熱くなかったようだ。
 「後は・・・まだパパが入っていないところに御夢想の湯とか岩根の湯とかあるけど・・・岩根の湯の方が熱かったような記憶があるなぁ。
 そんなわけで、私たちは竜宮に入ることはあきらめて、岩根の湯に向かうことにした。



1-20熱い湯を探して岩根の湯へ続く


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