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◇◆がんばれ新潟◆◇
雪国のお正月2007

4.峠の残照が消えないうちに










 「芝峠温泉に行こう」とパパが言った。
 まつだい芝峠温泉は初日に私をのぞくメンバーで行ったはずだ。
 雲海という一軒宿があって手広く日帰り温泉も受け付けている。ここの露天風呂からの眺めは日本有数とうたっても言い過ぎではないほどの絶景だ。
 「えっ、何で芝峠?」
 「だって今回一人だけまだ行ってないだろ? それにまつだいファミリースキー場のリフト券があれば半額で入浴できる」
 そうなんだー。じゃ行くしかないね。
 「そうと決まれば」
 「日没前に」
 二人とも考えていることは同じ。
 急がなきゃ。
 スキー場の日は落ちても、峠の日はまだ落ちきっていないはず。










 ぐんぐんカーブを曲がって峠を目指して車は走る。
 だいぶ暗くなってきた。
 間に合うだろうか。
 雲海の駐車場に着いた。
 そこそこ混んでいる。
 街灯が灯っていて、窓の明かりも眩しい。
 急いで受付を済ませ、浴室へ向かう。
 洗う間も惜しいくらい。子どもたちの髪の毛をシャンプーしてゴムでまとめ上げた。
 内風呂に入ろうとするカナを止めて、先に露天風呂へ行こうといざなう。
 景色もだけど、お湯も内風呂はいまいちだった記憶がある。



黄昏のまつだい芝峠温泉雲海




4-5闇に浮かぶ星のようにへ続く


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