初日 2005年7月23日(土) |
出発が雨というのは結構珍しい。
いつも帰りに雨に見舞われるから。
昨日までの天気予報では、三日間、関東甲信越はまあまあ。その後接近してくる台風7号の影響で崩れることになっていた。
それが朝起きたら予報が変わっていた。
三日間、関東甲信越は曇りから雨。
但し、新潟県をのぞいて・・・。
お気楽トラベラーのうちの一家は、滅多にひと月に二度の旅行は入れない(普通の人はひと月に一回も入れないというツッコミはおいといて)。
それがたまたま二週間連続でお出かけ予定が入ってしまった。
先週は
群馬県の水上でキャンプ。
今週は新潟県の十日町市(旧松代町)の古民家に滞在。
ついでに言うと、十日町から帰宅した翌日から一泊で、五歳のレナだけ幼稚園の合宿保育だ。
ヘビースケジュールかもしれない。
泊まり先の貸民家みらいは、田舎の古民家一軒をまるまる別荘のようにレンタルさせてくれるアコモデーションだ。
既に
年末年始と
春休み、二度ほど使わせてもらっている。
1号館から4号館を抜かし5号館まで4棟。
全てに囲炉裏付きの古い建物だ。
最新の5号館など茅葺き屋根。
どれも一見の価値がある。
管理しているのはワカイ測量の若井さんという方で、1号館は彼の生家でもある。
若井さんは非常に遊び心と実行力のある方で、日本で一番最初のどぶろく製造許可など持っていたりする。
今回の予約はもう何ヶ月も前から入れていたものだが、最近になってちょうど滞在中に松代のまつだい観音祭りが開かれることを知った。
若井さんに伺うと、泊まる1号館からは花火は見えないが少し駅を見下ろす場所まで移動すればよく見えるとのこと。
今までの旅行は雪の中ばかりだったから、今回初めて夏の訪問で、棚田なども見られるだろう。
可能なら日本海にも行きたいと思っている。
松代は山の中だが1時間も走れば日本海側に抜けるので。
たった三日間だけど楽しみいっぱい。
さあ、新潟でどんな出来事が待っているだろう・・・
朝7時半。
関越道の嵐山PAを過ぎたところで、東京から降り続いた雨はやんだ。
先週もこの道を走っていた。
ちょうど夏休み前の三連休で帰りは大渋滞だったっけ。
渋川伊香保ICの手前、まだ空は一面雲に覆われているがだいぶ明るくなってきた。
「関越トンネルを抜けたら晴れているかな」とパパ。
後部座席でつまらなそうにしている子供たちにパパがナンバープレートで足し算をやろうと持ちかけた。
「2足す5は?」
「7」
「8足す2は?」
「10」
小学二年生のカナはできて当たり前だが、幼稚園年長のレナもがんばってついていく。
お姉ちゃんがいろいろ教えてくれるから、最近は漢字も少し読めるようになっている。
何しろ二番目というのは負けず嫌いなのだ。
赤城でまたちょっと雲の中に入り、小雨。
赤城高原は真っ白。キリ注意の看板があるが、本当に霧が出やすい。高速道路の両側が霧で埋め尽くされていて、何だか道が空中に浮かんでいるようだ。
更に霧が深くなると、前方の車も霞む。
運転は慎重に。
先週遊んだ水上で、また空は明るくなってきた。
でもまだ雲は低い。もうじき関越トンネル。
谷川の方向にちらりと青空。
よし、トンネルの向こうは、トンネルの向こうは、きっと・・・。
新潟に抜けると、まだらな青空が待っていた。
やっぱり雲は多いが、でも明るい夏の空だ。
今回も雨を出し抜いた?私たち。
まずは塩沢石打ICで降りて、日本海直送鮮魚センター魚野の里へ。
子供たちは車から降りたがらなかったので大人だけで店の中に入った。
ここは新井の道の駅にある日本海鮮魚センターより小さい。
それにしても生ものがほとんどない。
イカと魚卵とエビとそれから大きな蟹が一杯。
魚が一匹もいないじゃない。
いつも私たちは朝早すぎるらしい。
魚はこれから来るんだそうだ、何時に来るかは判らないけど。
刺身用するめイカと生たらこを買った。
隣接する土産物屋でコシヒカリ2キロも。
今日はまだ朝ご飯を食べていない。
魚野の里のレストランは10時オープン。あと30分少々。
時間までは隣にある雪国奇木館の入り口などうろうろしたり、土産物屋で笑える新潟土産を物色したりした。
カナは柿の種携帯ストラップを見て、間違えて食べそう、と一言。
離島戦隊サドガシマンなんていうのもある(知ってる?)
10時ちょうどにレストランに入り席に着いた。
もうお腹はぺこぺこ。
コシヒカリ定食とわっぱ汁、そしてライスを二つ頼んだ。
ライス二つというのは、先週のキャンプの帰り、トンカツ屋でカナが一人でご飯を平らげてしまったことによるものだった。
コシヒカリ定食は魚沼産コシヒカリのご飯とふのり蕎麦、エビの刺身、鮭、煮物など。
ご飯はもちろん鮭が美味しい。ほとんど塩気はないのだがふっくらして脂が乗っている。子供たちが喜んで食べた。
わっぱ汁は蟹やエビで出汁を取ったみそ汁に焼いた石を入れて熱してある。
出汁がすごく濃くて味がある。
朝から豪華な朝食を食べているのは私たちだけだったが、ふと気が付くと周りの席という席には団体客の予約が入っていて、小皿や冷めても構わない煮物が既に並べられていた。まもなく大型バスでも着くのだろう。
魚野の里を出て、緑の濃い山道を走りだした。
車窓からは蝉の声。
夏の里山だ。
走っている道は国道353号線。
以前、冬に立ち寄った
清津峡小出温泉のある方角だ。
時折小さな棚田がある。
この辺りでは、平野部ではなく不便な山あいでも稲作をしている。
そしてこの道沿いにもいくつも温泉、鉱泉、湯治宿の看板が出ている。
今日立ち寄る予定の温泉はこの道が信濃川にぶつかる少し手前、
ゆくら妻有というところだ。
ゆくら妻有は中里地域の交流促進施設なのだが、一度火災で焼失し、つい先日再建されたばかり。
元々、油臭では定評のあるお湯だったから、寄るのが楽しみだ。
川の向こうにそれらしい建物が見えてきた。
なかなか判りやすい。
三角屋根の施設で、源泉直送のキャッチコピー。
入り口を入ると一瞬油臭を感じたが、施設が新しいのですぐに建物の木の香りに変わった。
待ち合わせのための休憩室を確認して、真っ直ぐ浴室の暖簾を潜る。
あちらこちらに洗ってから入りましょうとか浴室での歯磨きは禁止ですとか張り紙があるが、ここの変わっているところは、それらが施設からのお願いではなく「お客様からお客様へのお願い」とされているところだ。
他のお客様が気持ちよく入れるように、お客様である自分も気をつけようというコンセプトはなかなか良い。
昼時前、まあまあの混雑。
ちゃんと脱衣所にはベビーベッドなどもある。
ガラスのドアを開けて内湯、そして奥に小さめの露天風呂が見える。
松之山辺りの温泉では、だいたい施設の中にも灯油のようなすごい臭いが漂っているので、ここもそうかと思ったが、脱衣所まではあまり臭わなかった。
それが、浴室にはつんと立ちこめている。
力強くクリアなオイルの臭い。
レナが「ラベンダーの匂いみたい」だと言った。
なるほど、言われてみれば。
透明感のある黄緑色のお湯は少し熱めで子供たちは入るのをためらった。
浴槽内の温度ではなく湯口の温度だと明記された温度表示計は46.5度。
露天風呂の方は50度を超えている。
「気持ちいいよ、入っておいでよ」
飲泉不可となっているけど味見してみるとうわっ、
松之山温泉の凌雲閣を思い出す凄い味。
塩味の強すぎるチーズみたい。
塀が高く景色は特に何が見えるでも無いけれど、吹きすぎていく風がいい気持ち。
そういえば台風7号はどうしたかな。
ここはいい天気だけど、今頃東京は雨が降っているかもしれない。
露天風呂から内湯側のガラスの仕切を見ると、そこに青空と入道雲が写っていた。
新潟の塩分の多いお湯はどっかりと体力を消耗する。
出たり入ったりを繰り返しているうちにぐったりと疲れてしまった。
露天風呂の湯口のそばに水道のひねる部分だけがついている。ここにも「他のお客様のために加水は必要量に」といった張り紙があるが、ひねるといったいどこから冷水が出るのだろう??
他のお客さんの姿が無くなってからこっそり試してみた。
源泉の出る湯口の水量がその分増えた。
なるほど、加水するときはミックスして出て来るんだ。
ますます空は晴れてきた。
ぽかりぽかりと白い雲が浮かんでいる。
窓から見る景色は明るい緑の稲田と濃い緑の山や森。
この辺りは棚田と言って、不便な山の斜面に不定形の小さな水田を段々に作って米作りをしている。
とても機械が入れないような小さな田んぼがいくつも見える。
次には津南町の津南ひまわり広場へ行ってみようと思っている。
津南町の沖ノ原台地には約30万本のひまわりが植えられていて、7月下旬から8月中旬まで一面に黄金色に開くひまわり畑が見られる。
津南町のパンフレット表紙には、合成じゃないのー?と思うくらい豪勢なひまわり畑が写っていた。
沖ノ原台地は以前立ち寄った
竜ヶ窪温泉竜神の湯の近くだ。
ナビでは詳しい場所は判らなかったが、たぶん近くまで行けば看板が出ているだろうと車を走らせてみた。
津南町の中心部を抜けると、あちらこちらにお祭りの幟や準備中の出店。
今日は7月第4土、日に開催される津南まつりの日なのだ。
泊まり先の松代でもまつだい観音まつりが開催されているはずだから、ちょうど今の時期、いろいろな場所で夏祭りが開かれるのだ。
町中から曲がり角という曲がり角に「ひまわり広場はこちら」の看板が出ていた。
大丈夫。迷わず行かれそう。
案内板がなかったらとても辿り着けないような細かい道をくねくねと進むと、やがて大きな駐車場が見えてきた。
入場料とか観覧料とか駐車場使用料とかではなく、来年もまた咲かせられるようにひまわり畑整備の協力金として、駐車場で100円を徴収される。
まあ、100円というのは良心的だ。
ところが・・・
あれ?
一面黄金色のひまわり畑を想像していたのに、ひまわり、ほとんど咲いてないじゃない。
駐車場係のおじさんが、「すいませんねぇ、例年なら咲いているはずだったんですが、今年は涼しい日が続いて開花が遅れていまして・・・」
とほほ。
広大なひまわり畑はほとんど緑色で、ぽつりぽつりと花が咲いているだけ。見頃には程遠い。
しかしこの時期の津南町のメイン観光スポットだけあって、出店だけは華やか。
しょうもない。
ちょっと北海道を思わせる地平線を背景に、まばらに花をつけるひまわりの畑。
背の高いひまわりの間に迷路も作られている。
早速子供たちは迷路に向かった。
ところがカナが「トイレに行きたい」
どうぞ。すぐそこだよ。
そこからぐずぐず泣きが始まる。
和式のトイレが嫌だという。和式が使えなかったら小学校でも苦労しているんじゃないかと思ったら、学校には一つか二つだけ洋式があり、彼女はそこにしか行かないのだそうだ。
なんちゅう我が儘な。
そこから始まって、「もう帰る」と「ひまわり迷路で遊びたい」の両方を交互に主張する。
いつもそうなのだ。
どうして「どちらかを我慢する」ということができないんだろう。
結局一時間根比べ。
泣きやむまで大勢の人に笑われた。
最後はなんとか立ち直って、ひまわりの迷宮で自分の行く道を見つけられただろうか・・・。
さて、豊原トンネルを抜けて松之山に出て、Aコープでちょっと買い出しをする。
これから向かうのは松代。
前回春休みに貸民家みらいに泊まって、そのすぐ直後、今年の4月に松代町は松之山町などとともに十日町市に吸収合併された。
昭和29年に松代村と山平村が合併して誕生した松代町はもう存在しない。
松代の地名は、ほくほく線のまつだい駅周辺の松代地区にのみ残っている。
この松代地区で今日と明日、まつだい観音祭りというお祭りが開かれている。
まつだい観音祭りは例年7月19・20日に開催されていたが、今年から土日開催となり、今日23日、ヨサコイ演舞や花火大会が行われることになっていた。
松代駅前に着くと、いつも寄る三笠屋酒店などのあるメインストリートは既に通行止めになっていた。
仕方なくパパが駐車場に車を置いて来ることになり、子供たちを先に降ろした。
日差しは強くじりじりと照りつけるようだ。
ちょうど車を降りるのに手間取っているうちにヨサコイ演舞が終わってしまった。
交通整理をしていたお兄さんが、「見られなかったねぇ」と言ってくれた。
いやいやきっと子供たちは大人しく踊りを見ていてくれるとは思えない。
目的はフワフワジャングルスライダー。
春にほくほく線駅祭りをやっていたときに遊ばせてもらったトランポリンみたいなものを期待していた。
フワフワジャングルスライダーは空気で膨らませるタイプの巨大滑り台で、十日町市役所の松代支所前に据え付けてあった。
「あれで遊んでいい?」
返答を聞く間もなく、二人とも駆けていく。
何人かの小学生が遊んでいた。
一緒に入れてもらう。
二人とも夢中。
汗びっしょりになって跳ねまくっている。
10分もしないうちに「喉かわいた〜」
松代支所前にはビールやソフトドリンクを売っている。
ペットボトルのオレンジジュースを買った。
そんなこんなしているうちにパパがやってきた。
お祭りはあとは夜の花火を楽しみにするとして、午後3時半、みらい一号館に向かった。
途中ワカイ測量に寄ると、奥様が出てきて鍵は開いているのでそのままチェックインしていいと教えてくれた。
一号館は年末年始に四泊している。
もうかつて知った道。
眼下に雲海が広がることで知られる
芝峠温泉に向かう道を途中で曲がり蓬平地区へ。
集落の中を抜けるとき、いつも自分たちっていかにもよそ者っぽいよなぁと感じる。
この村の中では、みんなそれぞれ知らない顔はいないのだろう。私たちの日頃暮らす東京とはまったく違う。
集落を見下ろす最後の坂を上るとようやくみらい一号館。
冬にはあんなに寒かった古民家も、夏は風が通り涼しく快適だ。
家の周りには紫陽花、山百合など咲き乱れ、大葉や通草、菖蒲も。
蜩が鳴き、蜻蛉が飛ぶ。
暗い土間に入ると空気がひんやり。
これぞ日本の田舎だよね。
パパが家の裏に回って、浅い小さな池を見つけた。
後から家主の若井さんに教えてもらったが、地滑りの危険を減らすため水抜きを行ったところ各家で使っていた井戸水が枯れてしまい、代わりに抜いた水を集落の上までいったん引き上げてそれをまた各家庭に分配しているのだそうだ。
飲用には適さないが洗い物や風呂水に使えるこの水を、みらいでは裏の池に流している。
この辺りの家が各々小さな池を持っているのは、融雪のため、屋根から降ろした雪を溶かすためだというのも初めて知った。
地下水や湧き水は冬でも7、8度あるので、池に入れると雪は溶けるのだそうだ。
「池の方、見てご覧よ」
「カエル?」
見る前に答えている。
「なんで判ったの?」
だって如何にも池にはカエルがいそうなんだもの。
のぞきに行くと、あれまあ茶色っぽい大きなカエルが沢山藻の上や石の上に乗っている。
カナとレナもやってきて、カエルだカエルだと大喜び。
カナはおたまじゃくしも見つけた。
去年秩父で捕まえて家で飼っていた黒い小さなおたまじゃくしじゃなくて、いかにもその殿様カエルに成長しそうなこれまた巨大なおたまじゃくしだ。
二人はカエルに石を投げ始めた。
当てるためじゃなくて、カエルが逃げるのを見たくてだ。
まさか池に落ちないだろうね。
しかし、カナがトイレに行き、私もパパも目を離した隙に・・・
「ママ〜ァ、落ちちゃったー」
と世にも情けない泣き声が。
慌てて家の裏手に行ってみると、見事に顔までずぶぬれになったレナの姿があった。
もちろん服も靴もびっしょり。張り付いて気持ち悪いからと嫌がるのを無理矢理ぬがせて、そのままお風呂へ連れていった。
一号館にはうきぐもと名付けられた大きな樽の露天風呂があり、宿泊客が来る前からいつも家主の若井さんが薪をくべていてくれる。
ついでに汗びっしょりだった姉のカナも連れてきて一緒に入れさせる。
前に来たときはこの露天風呂も雪がかかって真っ白だった。
今は違う。お風呂から見る景色は、緑に染まった夏の里山。
レナに聞いてみた。
「なんで池に落ちたりしたの?」
「あのね、こうやって・・・カエルに石をぶつけようとしたら」
もう一度再現してくれる。
まるで投球するピッチャーのように拳を振り上げて、そのまま顔から池に落ちたらしい。
あの藻だらけのカエルの住処に。
カエルをいじめるから罰が当たったんだよ。
ママは「落ちるかもしれないとは思ったけど、まさか本当に落ちるとは」
パパは「落ちるとしたらレナだと思った」
囲炉裏に火をおこして、お米を炊いて、ちょっと早い夕食準備。
今日は遅い時間に豪華な朝食を食べてしまったので昼食が抜けてしまった。
日本海鮮魚センター魚野の里で買った生烏賊をあぶり、ゆくら妻有の農産物直売所で買ったトマトを洗う。
群馬のまいたけセンターで買ったら千円はするような大きなマイタケもこちらだと450円。
新潟はお米をはじめ美味しいものがいっぱい。
昼間はあんなに暑かったのに、日が陰ってくると肌寒い。
囲炉裏の火が嬉しい。
子供たちは露天風呂の前にあるテーブルでおままごと。
葉っぱや石でご飯を作っている。
外に出てみると、空から黄昏がゆっくりと降りてくるところだった。
蝉や鳥たちが眠りについた後は、虫とカエルたちが大合唱。
そういえば台風はどうしただろう。
大型台風7号は、予定では九州上陸コース。
既に今朝から東京では雨模様で、私たちが新潟に滞在する三日間は太平洋側ではずっとぐずぐずした天気が続くはずだ。
テレビをつけたら地震のニュースだった。
えっ?
東京が震度5強!?
全然知らなかった。
家は大丈夫だろうか。
途中から見始めたので、詳しいことも判らないまま、ニュースは次のエジプトのテロに移った。
ロンドンに続き、また世界の何処かで無差別の暴力と殺人が行われている。
エジプトの次は東京かもしれない・・・。
気になる台風は何故か進路を変更し、真っ直ぐ東京に向かっている。
関東直撃コースだ。
東京は踏んだり蹴ったり。
花火は7時半から9時まで、およそ100発ほど上がるという。
若井さんから事前に一号館からは見えないと聞いていたので車で移動することにした。
7時半少し前。一号館から車を出す。
蓬平の集落を抜ける前に一台の車が私たちの前に割って入ってきた。
家族三人乗せて、駅の方へ向かうようだ。
時間からいっても花火大会を見に行くのに違いない。
いい場所が判るかもしれない。付いていってみよう。
前を走っていた車はワカイ測量の近くのJAの駐車場に入った。
既にパンパンと夜空に劈く音を立てて花火が上がり始めている。車の窓からもそれが見えた。
道路沿いの家々では、みんな玄関前に椅子など持ち出して団扇を片手に花火見物をしている。
ほくほく線まつだい駅の駐車場に車を入れることにした。
線路沿いの芝生の上に見物客が各々レジャーシートやアウトドア用の椅子を並べて空を見上げている。あそこに混ぜてもらうことにしよう。
先週のキャンプでも使った組立式の長椅子と折り畳み式の椅子を出してきた。
パパはビールも。
芝生もぎっしりと人がいるわけではなく、まばらに見物客がいるぐらい。
花火ものんびりしたもので、一つ上げるごとにスポンサーを読み上げている。だから一つ上がってはしばらく間があって、また一つ上がるという具合。
かなり近いところで上げているので迫力は満点だ。
首都圏で開催される花火大会は、そりゃあ上がる花火の数は100倍だけど、混雑は1000倍。不快指数もそれ以上。
しかもいい場所には観覧席を設けてチケット代16,000円とか取られる。冗談じゃない。
悪いけど有名な近所の花火大会にはもう行く気がしない。
前に田沢湖で花火大会を見たときも思ったけど、打ち上げ花火は地方で見るに限る。
花火の数は少なくても、ずっと楽しく快適に見物できる。
来年もどこか地方へ花火を見に行こう。
のんびり広々椅子やシートでくつろぎながら、空を見上げることにしよう。
花火の上がる夜空だって、汚れた東京の空よりずっと綺麗に違いない。
二日目へ続く・・・