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◆がんばれ新潟 雪国に春は来たか◆2-5


5.風呂場騒動

 ぽこさんの奥様は用事があるため不参加で、お風呂に入るとき、マコちゃんはこちらで預かってうちの娘たちと一緒に面倒を見ることになった。
 小学一年生にしては落ち着いて大人びているマコちゃんだから、何も心配は無いのだけど、それでも余所のお子さんを預かると思うと身が引き締まる。トラブルメーカーのレナにばかり気を取られてはいられない。
 脱衣所でも、脱衣籠はここ、脱いだら畳んでね、と一人一人声を掛けて、自分も慌てて脱いでいたら、隣にいた奥さんが私の肩を叩いた。
 「今、脱がない方がいいわよ」
 「えっ?」
 「ほら、あそこを見て」
 子供たちに気を取られてまるっきり周りが見えていなかった私は、指さされた方を見てびっくり。脱ぎかけたままその手がぴたりと止まってしまった。
 制服を着た芝峠の施設の人が一人と小柄な親父さんが一人、更に救急隊員が何人かいて担架を持っている。
 ???
 どうも倒れた人がいたらしい。
 施設の人は女性だからいいものの、親父さんはもとより救急隊員も全員男性だ。
 た、確かにこりゃ脱げない。で、でも、今更既に脱いじゃった服を身につけるのも何か変・・・。
 でも私の言いつけを守ってさっさと服を脱いだ子供たちも風邪を引いてしまう。先に行って良いよ、入る前には体を洗ってね、とだけ伝えてお風呂場に送り出した。

 倒れた人はすぐに回復したらしい。施設の人の介助でなんとか服を身につけた。担架は空のまま運び去られた。親父さんもさあさあと施設の人に急き立てられて脱衣所を後にした。全員去ってしまった後でようやく施設の人がおふろ場に入り、「お待たせしました」と声を掛け、浴室で上がるのを待っていた大勢の人がぞろぞろと脱衣所に移動してきた。
 ・・・ああ、びっくりした。
 温泉で倒れる人って本当にいるのね。

 ようやく浴室に移動すると、子供たちはもうほとんど洗い終えていた。
 三人、仲良く連れ立って内湯に入っていく。
 内湯のお湯は無色透明。
 入ったとたん、ああ、のっぺらぼう湯だなと思った。
 色の問題じゃなくて、温泉らしさがない。臭いもカルキ臭。入って嬉しいと思えない温泉の典型だ。
 すぐに上がって露天風呂に行くことにした。
 レナも外のお風呂に行きたいと言ったし。

 外に出てすぐ右手に寝湯があった。ジャグジーのボタンが付いていて、止まったら手動でオンするようになっている。
 その先に露天風呂。
 子供たちは寝湯の方に行ったので、先に一人で露天風呂に入りに行った。


芝峠温泉の内湯は色も臭いも無しの、のっぺらぼう湯でした
・・・でも露天風呂はご期待下さい




2-6.天上の露天風呂へ続く


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