先に食事を終えた子どもたちはがっちゃんに連れられて向かいのレトロな遊技場へ行っていた。
ここは柳屋という店でスマートボールという看板が下がっている。
要するに数十年前の温泉街の雰囲気を残す店だ。
私たちはゆっくり食事を食べて、満足してレジに向かった。
仕事中なので忙しいはずの小枝子パパが奥から顔を出してくれた。
「久しぶり」
お互いに時間が無くてそれ以上の会話ができない。
「また来ますから」
そう、たぶん再来月に今度はゆっくりと。
小枝子パパは嬉しそうに待ってるからと言ってくれた。
スマートボールをのぞくと、子どもたちが三人並んで真剣な目つきでボールを打ち出していた。
私はスマートボールって初めて見たけど、ほとんど平らに近い緩い傾斜のパチンコ台のようなものにスーパーボール大のボールを打つようだ。
いわゆる普通のパチンコと違ってゆるーい遊び。
結局出てきた玉の数に限らず、柳屋のおばちゃんは子どもたちにひとつずつ景品をくれた。
ぴかぴか光るイルカのペンダントか同じく光るゴムのウニみたいな玩具のどちらかひとつ。
がっちゃん曰く、来る度に景品がパワーアップしているとのこと。
あおいちゃん効果だろうと言っていた。
そんなわけで、今日は
万座温泉を出て後は真っ直ぐ帰るだけだと思っていたが、思いの外楽しい一日だった。
「何があるか判らないから」と、
四万温泉で車を降りるときに私とyuko_nekoさんはこっそりバッグにタオルを忍ばせたが、残念ながら一風呂浴びる時間までは残されていなかった。