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◇◆長野と群馬◆◇
濁り湯露天風呂の旅

19.豊国館






 観光案内所を出て下っていくと、すぐに大きな建物が見えてきた。赤い屋根・・・というよりは気持ち赤っぽい屋根だが、あれだろうか。意外と綺麗な大型ホテルだな・・・と思ったら、それは豊国館ではなく、プリンスホテル系列の万座高原ホテルだった。
 もっと道を下ると、万座高原ホテルの奥に予想していたよりもっと慎ましい建物が見えた。なまじ一瞬万座高原ホテルが豊国館かと思ってしまった後なので、益々わびしい佇まいに見える。
 確かに屋根が赤い。
 これが万座温泉豊国館のようだ。





 表玄関のある方へ回ると、こぢんまりとした入り口ながら、やはり三連休なか日の午後だけあって出入りする人の数が多い。
 玄関も万座温泉ホテルや万座プリンスホテルを見てきたばかりだと、古くてごちゃごちゃとして良く言えばアットホームな雰囲気に思える。
 奥まったところに帳場があって、たぶん電話に出たと思われるおじいさんが番をしていた。
 どうやら電話で愛想がなかったのは深い意味があったわけではなく単にいつもそういう口振りなのだと思われた。

 廊下も古びてぎしぎしと鳴りそうだ。
 昔ながらの湯治場という響きがぴったり来る。
 女湯と書かれた戸を開け、狭い脱衣所でぬいで浴室に入ると内湯に二人、露天風呂に一人、先客がいらした。
 「あらあなた達、運がいいわね。ついさっきまでは随分混んでいたのよ。ちょうど空いてきたところ」
 そう教えてくれた方もすぐに上がってしまわれた。
 露天風呂に出てみた。
 露天風呂にいた方もすぐに上がってしまった。ほとんど貸切だ。





 お湯は綺麗な緑白濁だった。
 意外に見晴らしが良く、低い竹垣の向こうに山の斜面が見えている。
 そしてその斜面の一角からはもくもくと雲のように豪快な湯煙が上がっている。
 私たちは入りながら、ふと、確か豊国館は有名な混浴のお風呂が無かったっけ?と顔を見合わせた。

 「まだ内湯に一人、常連さんらしい人が残っていたからあの人に聞いてみよう」
 yuko_nekoさんは積極的だ。
 常連さんは浴室の隅で洗面器からお湯を掛けていた。
 「混浴露天風呂? あるわよ、すぐそこに。豊国館に来たら絶対に入るべきよ。こっちのお風呂なんて目じゃないわよ。せっかく来たんだから絶対に入って行かなくちゃ」
 そして行き方も教えてくれた。
 「こう、廊下を出て左ね。脱衣所も男性と共通だからこっちからバスタオルを巻いて移動して行くといいわ。バスタオル持ってる?」
 ばっちりだ。いつもは手拭い一枚しか持ち歩かないが、今回はたまたま入るつもりだった万座プリンスに混浴があったため珍しくバスタオルも持参したのだ。
 「混浴のお風呂はかなり深いから、まずこの内湯で感覚を掴んでから入るといいわよ。この女湯の内湯も結構深いから」
 そう言われて内湯にも入ってみた。
 本当だ。濁っているので判りにくいがかなり深い。知らないで入ると、「おっと」と体勢を崩してしまいそうだ。
 何となくここは露天風呂より内湯の方が濃く感じた。
 「さあがんばって行ってらっしゃい。何事もチャレンジ!!」
 「おー!!」
 何だかよく判らないうちに、ノリで混浴露天風呂に突撃することになった。
 そう、人生なにごともチャレンジ。




豊国館の女湯露天風呂




2-20豊国館混浴露天風呂にチャレンジへ続く


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