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◇◆長野と群馬◆◇
濁り湯露天風呂の旅

18.無人観光案内所











 二人して建物の外に出て溜息。
 万座プリンスホテルの通常入浴料は千円。
 でもお風呂も大混雑していると聞いた今、千円払ってまで入る気にはならない。
 かといってすごすごと万座温泉ホテルに帰る気にもなれない。
 「どこか他の旅館に行ってみよう」
 サルノコシカケが入っている温泉あったよね、とか、聚楽も絶景だっけなどと話し合った末、二人で出した結論は、豊国館に行こう、だった。
 豊国館も万座温泉の旅館の一つで、お湯の良さには定評がある。

 それはいいけど、二人とも豊国館の場所を知らない。
 yuko_nekoさんが万座プリンスホテルのすぐ下に万座温泉の観光案内所があるからそこで調べようと提案した。
 ここも道が急なカーブになっている。しかも急坂だ。帰りに登るときのことを考えてゾッとしてきた。

 私は観光案内所と言えば、担当者が常駐していてパンフレットや地図が充実しているところだとばかり思っていた。yuko_nekoさんもそうだと思う。
 しかし辿り着いた万座温泉観光案内所は、つぶれた個人事務所みたいなありさまだった。
 外観からしてそうだ。
 「案内所」とは書かれているがあまりにも殺風景だ。
 中に入ると組立式の机がひとつ置いてあって、その上に事務用の電話機が一つ。そして何故か薄いタウンページが何冊か。もちろん無人・・・。
 ば、ばかにしてるんじゃないか?
 観光客は自分でこのタウンページから必要な情報を探して自分で電話しろと?
 やる気が無さ過ぎ。
 タウンページを捲ったが、もちろん万座温泉専用の電話帳であるわけでもないので、目的の豊国館を即見つけるというわけにはいかない。ばかばかしいので外に出た。


がらんとして誰もいない。
棚は空っぽ。卓上にはタウンページと事務用電話機。なんともやる気のない観光案内所。



 次に私たちが取った行動は携帯電話で調べる・・だった。
 無人の万座温泉観光案内所を背にして、おのおのの携帯を取り出す。
 私がauのアプリ、EZナビウォークを起動すると、yuko_nekoさんもドコモの同様のアプリを立ち上げた。
 「・・・むむ」
 現在地と豊国館の位置を割り出そうとしたのだが、万座温泉のマップには私たちが泊まっている万座温泉ホテルと今し方すげなく断られた万座プリンスホテルしか記されていなかった。それじゃ役に立たないじゃんよー。
 またもドコモに負けたかと思ってyuko_nekoさんを見れば、まったく同じ状況だったようだ。
 ・・・auもドコモも使ってる地図は同じかい・・・。

 仕方がないので今度は携帯でPCサイトビューワーを立ち上げた。どこかに豊国館の地図は無いかな。
 でもこれが、ほとんどのインターネットサイトは見られるんだけど、地図サイトだけは上手く表示されないのよね。四苦八苦しているとyuko_nekoさんが豊国館の電話番号が判ったから直接電話してみるわと電話を掛けてくれた。

 「・・・はい、はい、判りました。赤い屋根ですね」
 電話を終えたyuko_nekoさんに聞くと、豊国館は観光案内所の下の道を右に進み、少し下ったところにある赤い屋根の旅館だそうだ。
 今からの立ち寄り入浴OK。入浴料は一人500円。
 電話に出たおじいさんは愛想がなかったそうだ。日帰り入浴を歓迎していないとか?

 とにかくまたまた道を下ることになる。
 どんどん万座温泉ホテルから遠ざかっている。しかもほとんど下り・・・ということは帰りは全て上り坂だ。それも山を登るに等しいような急な上り坂。
 「帰りはタクシーだぁ」とyuko_nekoさんが言う。
 えー、もったいないんじゃあないの? それ以前にタクシーなんて走っているのか?
 「もうちょっと下ったところにバスターミナルがあるからそこからタクシーに乗れると思うよ」
 まあとにかく今は豊国館に行くことだけ考えよう。
 帰りのことは、お風呂から上がってから考えるとして。



2-19豊国館へ続く


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