子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > 長野と群馬*濁り湯露天風呂の旅 > 2-4七味温泉と七本の源泉

◇◆長野と群馬◆◇
濁り湯露天風呂の旅

4.七味温泉と七本の源泉











 キャンプ場組が痺れを切らしているといけないので、9時のチェックアウトを目指した。
 うちとyuko_nekoさんちの費用をそれぞれ計算するために、先に請求書の内訳を出してもらった。
 飛び込みでお願いした追加の子供料金は、食事抜きの2,000円。有り難くて涙が出そう。
 このときに宿の源泉使用状況についても親切な女将さんにうかがってみた。

 七味温泉の七味というのは、七つの源泉をミックスさせたことにより命名されたということは知っていたが、その七本全ての湯元は昨日閉業しているのを見た牧泉館だと言う。
 紅葉館は、独自源泉も無いことも無いようだが、どうやらほとんどを牧泉館を湯元とする源泉に頼っているようだ。
 「七味温泉と言うけれど、やっぱり七本も源泉を管理するのはとても大変だから、今はそのうち4、5本しか使われていないのよ。うちでは4本の源泉を使っているけど、どのお風呂もそれぞれ混ぜ方を変えているの。季節でも変えているわ。寒いときは熱い源泉を増やしたりね」
 どうりで昨日入ったお風呂はそれぞれにお湯の印象が異なったわけだ。
 「うちは全て掛け流しよ。七味温泉の中でもぬるい源泉1本しか持っていなくて加熱循環しているところもあるけれど、うちはその必要は無いから」
 女将さんは宿のお湯にとても自信を持っているようだった。

 その後、チェックアウトのために子どもたちを連れて階下に降りた。
 精算の時に急に予約人数より子供が一人増えてしまった事情を説明した。
 「まあそれじゃ、旦那さん方はキャンプ場にお泊まりなの? 良かったらここのお風呂に入っていって下さいよ。無料で構いませんから」と女将さん。
 後でそのことをパパたちに伝えたが、行き先が逆方向だったこともあり、結局パパたちが紅葉館のお風呂に入ることは無かった。
 でもこんな風に勧めてくれることはとても嬉しい。印象が良くなる。

 精算が終わって振り返ると自分の荷物がない。焦ったら、若くて美人の仲居さんがもう外に出て車の前で持っていてくれた。
 「ここの娘さんかな、美人だよね」とyuko_nekoさんがささやいた。
 女将さんも出てきて見送りをしてくれた。
 ちょうど雲が切れて山が顔を出す。
 紅葉館の玄関前は覆い被さるように楓の枝が張りだしていて、あともう少し季節が進めばきっと錦に飾られるのだろう。
 「いい宿だったね」
 「大正解だったね」
 すっかり満足して私たちは七味温泉の橋を渡った。
 果たしてキャンプ場組の男性陣はどんな顔で待っているだろうか。






2-5キャンプ場組の事情へ続く


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