◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉

9.もしかして赤川温泉

　宝湯の外壁に内牧温泉公衆浴場湯めぐりマップなる地図とリストが貼られていたので、パパはもう一ヶ所寄ってもいいよと言ってくれたが、一番大きそうだった阿蘇乃湯は既に午前の営業を終えて夕方まで開かないようだし、次へ移動することにした。
　今日、寄りたい温泉は他にもいっぱいあるんだもん。
　内牧温泉はとても良かったけど時間が無くなる前に移動しよう。

　宝湯の露天風呂にいるときも少し雨が降ったが、天気はますます悪くなってきた。
　もう阿蘇山に上った時に霧で何も見えなかったのがマシに思えるくらいに時々どしゃぶりに見舞われる。
　外輪山を越えてさらに北へ。
　その間にも雨は激しく降ったり、また止んで曇り空になったりの繰り返しだ。

　もう今日は観光は諦めて温泉に入る日にしようとパパが言った。
　ちょっと残念だが温泉はもともと入れるだけ入るつもりだったし・・・とはとても口に出せない。

　今回の旅行の立ち寄り温泉は、やませみさんの作成してくれたプランに義満さんとtakayamaさんのアドバイスを加えたものをベースにしている。
　その計画によれば、本日の訪問先は民宿久住と宮城温泉出会いの湯だ。
　「でもね、この宮城温泉というところ、駐車場から5分ぐらい歩くみたいなのよね」
　「えーっ、却下」
　マジですか？
　「この雨の中、そんなに歩くのは嫌だ」
　そりゃまあ・・・。
　今日は温泉の日にするぞと決めたばかりなのに既に計画に暗雲漂っている。

　そんな時、ふっとカーナビに「赤川温泉」の文字が映った。
　赤川温泉、見覚え有る。あーっと、明日立ち寄るつもりだった温泉だ。

　方向音痴の私はその日その日のルートに沿って寄る予定の温泉をチェックしていたが、日にちを跨って考えていなかったのだ。
　よく考えたら当初、二日目の宿泊を黒川温泉に、三日目を長湯温泉にしていて途中で入れ替えたぐらいだから、この二ヶ所は近いし、阿蘇から長湯温泉に行くときに黒川温泉の比較的近くを通るのだ。つまり、二日目と三日目は同じようなルートを往復することになる。
　だから三日目に寄る予定だった温泉の近くを二日目の今通っているということ。
　じゃあさ、じゃあさ、宮城温泉の代わりに赤川温泉を組み込むっていうのも有りだったりする？

　ちなみに行ってみたら宮城温泉も駐車場から5分も歩いたりしなかった。駐車場は建物の真ん前で、遠いと思っていたのは私の思い違いだったのだが、この時はそんなことはわかっていなかった。
　もっとついでに言うと、この赤川温泉赤川荘こそ駐車場から遠かった。
　そしてこの時はそんなこともわかっていなかった。

　私たちが走っているのは旧小国海道こと国道442号線で、並行して久住高原ロードパークという有料道路が伸びている。
　たぶん景色が良いから有料なんだと思うが、土砂降りのこの雨の中ではお金を払う意味は無い。
　赤川温泉赤川荘は地図で見るとその久住高原ロードパークの脇にあるように見える。
　どうやってアクセスするんだろうと思ったらT字路が見えてきた。どうもここを左に曲がって久住高原ロードパークを越えたところに赤川荘はあるようだ。