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◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記

13.懐石カフェ蛙吉(あきち)






 伏見稲荷駅は小ぢんまりとしたローカルな駅で、しかし柱や手すりなど伏見稲荷神社を意識してか全て朱色に塗られているのが印象的だった。
 地図を見せたが運転手は蛙吉の場所はよく判らないと言うので駅前で下してもらった。
 どうせ駅から徒歩30秒と書かれているのでタクシー料金を掛けて探してもらうよりも、地図を見ながら自分で歩いたほうが早いだろう。

 懐石カフェ蛙吉の場所はすぐ判った。
 本当に駅から近いし、ちゃんと看板も出ていたから。
 しかし外観は懐石料理屋はもちろんカフェにも見えず、どう見ても単なる民家、店の名や評判を知らなければ絶対に気づかないような佇まいだった。





 遠目にはシンプルだが近づいてみるとちょっと剥げかけた塗りや飾りの丸窓が凝っているドアには「close」と書かれた楕円の札と「本日はご予約で満席です」と小さめの字でプリントされた紙の入った額縁が下げてある。
 雰囲気はなんとなく、アタゴオル物語とかに出てきそうな。
 ドアを開けたらその向こうには別世界が待っていそうな。

 ドキドキしながらドアを開けてみた。
 店内は少し暗く思っていたより狭く思えた。
 カウンターのような席があり、そのいくつかが埋まっていた。
 すぐに店員がこちらへと私たちを案内してくれたのは入り口を入ってすぐ右手の窪みのような独立した席で、窓の外が見えた。





 落ち着いてあたりを見渡すと、店内のあちこちにカエルの意匠を凝らした置物、イラスト、食器などが飾られている。
 蛙吉(あきち)という店の名は伊達じゃなく、本当にカエル好きなカフェらしい。
 卓上にも「かえる縁日」というイベントの広告が置かれていた。このかえる縁日、「京都発! 世界3億人のかえるファンにささげるカエルをテーマにしたイベントです」と書かれている。今年のゴールデンウィークにここで行うらしい。えっ、世界にかえるファンが3億人もいるの?って真顔で聞かないでくれ、娘たちよ。

 さて、麺類とスイーツを除いて京都に来てからあまりまともな食事をしていない私たちだ。
 懐石とか、おばんざい料理とか、湯豆腐とかまったく食べていない。
 時間の関係もあったし、予算の関係もあった。中学生とはいえ子供連れというのもあったし、自分があまり量を食べられないというのもあった。
 それだけに最終日にして予約を入れて評判の良いお店に来たことにはかなり期待していたと言って良い。京都における食事のイメージがここで固定されるし、記憶にも残るだろう。
 そしてこの懐石カフェ蛙吉、期待以上のお店だった。





4-14蛙吉のランチに目を丸くするへ続く


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