◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記

19.岡崎公園の枝垂桜

　イノダコーヒ本店の前の堺町通りを今度は来た方向とは逆にひたすら南下していくと、途中で錦小路通りとぶつかる。
　錦小路と言えば錦市場。
　京の台所。生鮮食料、漬物屋、惣菜、菓子・・・。
　市場大好きのパパが一緒なら絶対に錦市場は外せないが、市場の雰囲気は好きで写真を撮ったりはするけど買い物自体にはそれほど興味のない私は今回は横切るだけ。
　雰囲気だけちらりとね。

　錦市場を過ぎたところに錦湯という銭湯がある。
　こちらも良い感じに古びていてとても惹かれる。
　でも温泉ではないのでね、時間がないのでこちらも外観を見るのみ。

　そうして真っ直ぐ歩いていくと、やがて堺町通りは四条通にぶつかる。
　ここでまた市バスに乗るつもり。
　泊まっているヴィラージュ京都に帰るなら四条を西へ行けばいいだけだが、まだ時刻は2時半、十分時間はあるので昨日行きそびれた平安神宮にこのまま行ってみようかと思っている。

　四条通は商業の街。
　車線も広く車も多く四条烏丸から四条河原町まではアーケードの屋根がついた広い歩道が伸びていて、道の両側にはデパートやら銀行やらブランドショップやらが立ち並ぶ。いつ見ても人通りも多い。
　堺町通りが四条通とクロスする地点から近いバス停は四条高倉。
　いろいろな方向へ行くバスが四条通を通るが、昨日も縁のあった銀閣寺方面行き32番系統を待った。
　次のバスがどのくらいで来るのか確かめようとバス停の時刻表を覗き込もうとしたら、同じように時刻表を覗いていた背の高い人に気づいた。
　こ、この人は!!
　さっき大原の寂光院の帰りに追い越したいちゃいちゃカップルで、そのあと大原の里の庭を歩いていた人だ。
　確かに隣に一緒にいた女の人もいる。向こうはこちらに気づいていないみたい。
　いや、別にそれだけなんだけど、三度もすれ違ったことに凄くビックリした。
　最初の二回は狭い大原の寂光院周辺だから十分にありうることだけど、私たちは途中イノダコーヒで時間つぶしたりしたし、まったく同じ時間にマイナーな四条高倉バス停でまたもやすれ違うとか、こんな偶然もあるんだね。

　市バスが京都会館美術館・平安神宮前に停まったのは午後3時少し前。
　イノダコーヒから出たときには上がっていた雨がまた少し降り始めた。

　京都市美術館と向かいの京都国立近代美術館の間の道は平安神宮の参道になっていて振り返るとびっくりするほど大きな鳥居が建っていた。
　少し歩くと次のブロックは道の両側が岡崎公園という緑地になっていて、その公園の桜があまりにも見事だったので思わず足を止めた。
　特に周囲をぐるりと手すりで囲んで盛り土のようになった所に根を張っている濃いピンク色の枝垂桜は主のようだった。
　少し雨が強くなる。急ごうか。