◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り
安代温泉の端まで行って引き返し、再び
ひしや寅蔵に戻ると今度は鍵が開いていた。
戸は開け放たれている。しかし相変わらず誰もいる気配が無い。
鍵を開けた人がいるのだから誰かいるはずなのだが。
ロビーの様子も玄関同様由緒ある老舗旅館らしい落ち着きと、和風でありながらどこか大正浪漫的な洋風の味付けがある。
隙のない高級さでもお金掛けました的な豪華さでも無く、もちろん安っぽさも無い。
帳場の卓上に御用の方はダイヤルして下さいと内線電話があった。
パパがそれを使うと、何回かのコールの後に宿の人が出たらしい。
はい、はい、と返事をしている。それから受話器を戻した。
かいつまんで言うと、まだチェックインはできないので、あと少し渋温泉駐車場あたりで時間をつぶしてくれということらしい。まあまだ2時過ぎなので、チェックイン時間までは1時間弱ある。
渋温泉駐車場はモンスターハンターのイベント会場の中心になっているので、そこに行けばビールも飲めるらしい。
あと、ひしや寅蔵の駐車場も使ってよいと言われた。
基本的には駐車場無しの宿としているようだが、今夜は宿泊客が少ないのでどうぞお使いくださいとのことだった。
私としてはできれば外湯の鍵を借りて湯巡りに行きたいところだったが、どうもそれも3時まで待ってくれということらしいので、諦めて川の対岸にある渋温泉駐車場に行ってみることにした。
橋を渡ると静かだった温泉街と違い、ここはそれなりに人を集めていた。