◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り

20.ゆ宿大蔵の貸切風呂

　宿に戻ったら今度は宿のお風呂だ。
　そもそもゆ宿大蔵を選んだのは、ここが地蔵源泉だったからだ。

　草津温泉と一口に言っても、源泉は沢山種類がある。
　鳴子温泉のように隣り合って全然違う成分や雰囲気のお湯が湧いているわけではなく、基本的には酸性のぴりっとしたお湯がほとんどなのだが、それでも源泉ごとにちょっとずつ印象は異なる。

　草津温泉で泊まるなら、それは中心部の独自源泉を持つ老舗宿に泊まるのが一番嬉しいが、予算の関係もあって難しい。
　そうすると白旗源泉か地蔵源泉がいいなぁと考えて選んだ。
　このゆ宿大蔵は男女別浴室の他に、鍵を掛けて自由に使える貸切風呂も備えている。

　男女別浴室は夜に入るとして、貸切風呂へ行ってみた。
　チェックイン時には誰か使っている人がいたようで使用中の札が下がっていたが、今は誰もいなかった。

　二人入るのがやっとのサイズの石の浴槽で、湯口の岩は白く染まっている。
　ここのお風呂も相当熱く、桶でじゃんじゃん湯もみをしたら澄んで見えたお湯はミルク状に真っ白になった。

　鮮度も上々。
　地蔵の湯と同じ地蔵源泉だけど、この小さな湯船と言うのが独り占め感があっていい。