子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > 草津温泉と渋温泉*真夏の外湯巡り > 1-14御座之湯

◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り

14.御座之湯






 中も外観同様削った白木の匂いがしそうな板張りの和風建築で、受付周辺は非常に余裕をもったスペースが取ってある。
 浴室の暖簾は受付の正面に掛かっていて、休憩室は階段を上った二階。





 浴室は木乃湯と石乃湯と名付けられていて男女日替わり。今日は木乃湯が女湯になっていた。
 縦に長い浴室で、浴槽も長方形。その他に入ってすぐのところに掛け湯槽が、浴室の片側の壁に沿ってベンチ状の座る場所が作られている。
 長細い浴槽を四つに区切ってあるように見えたが、入ってみると源泉を違えた二つの浴槽が隣接していて、それぞれに真ん中に丸太のような木が渡してあるのだった。これはもたれかかって良し、頭を乗せて良しという感じだ。

 手前の源泉は万代鉱源泉。
 奥のもう一つは湯畑源泉。
 両方とも草津では非常に一般的な源泉だ。

 掛け流しであるだけでなく加水はしていないと記載があったが、どちらの浴槽もぬるめでパンチに欠けていた。
 少し酸っぱいにおいが感じられる程度で、特にこれといって強い印象が無い。
 湯畑もさることながら特に万代鉱は酸性が強いことで知られているので、もしどこかに傷でもあれば染みるのだろうが肌にぴりぴりと来る様子も無く意外にマイルドだった。
 ただ、浴室の木の香りは良い。丸太に頭を乗せていると、ああやっと休日でここは草津だという実感が湧いてきた。





 しかし一番中途半端に感じたのは洗い場が四つしか無かったことだ。
 実はこの御座乃湯は江戸時代から明治時代に実在した当時の湯屋 御座乃湯を再現したもので、歴史のロマンを感じてタイムスリップしたような非日常的な異空間を感じてもらうことがコンセプトとのことだが、それは白旗の湯でも、数年前に建て替えた地蔵の湯でも十分感じられる。
 やはりせっかく湯畑の前に日帰り温泉を作ったなら、せめて洗い場はもっと沢山つけてほしかった。
 旅館の泊り客は近くに無料でかつ歴史ロマンを感じられる外湯があるなら500円の入浴料を払ってまでは入らないんじゃないかと思うし、日帰りで草津に来たお客さんなら洗い場もほしいと思うんだな。
 一応御座乃湯、大滝乃湯西の河原露天風呂の三ヵ所を巡る三湯めぐり手形なる料金体系もあるようなので、洗いたい人は大滝乃湯でどうぞということなのかもしれないけど。


御座之湯の休憩室と休憩室からの眺め



 ちょっとぶつくさ言ってしまったが(たぶん期待が大きかったせい)、二階の休憩室からの眺めは良かった。
 本当にただの畳敷きの広間なんだけど、窓辺に腰を掛けて涼んでいると眼下に湯畑が見渡せて、最高の立地だと思う。

 ところで御座乃湯の御座の由来だが、日本武尊が東国征伐の帰りに湯けむりを発見し湯に浸かった時に腰を下ろした石を御座石と呼んだとされる。
 一方、源頼朝が座った石を御座石としている記述もあり、そもそも室町時代以前に草津温泉は発見されていなかったという説もあるようだ。
 そしてその御座石は白旗源泉の中にあるようだが、御座乃湯の入口に向かってすぐ左にある白旗源泉には覗き込んでもそれらしい石は見当たらない。場所が違うのか、もう崩れてしまったのか、とはいえ、あの煮えたぎるような白旗源泉にそのまま足を突っ込むとかどう考えてもあり得ない。


御座之湯の前にある白旗源泉



1-15町営の湯から長栄の湯へへ続く


草津温泉と渋温泉*真夏の外湯巡り 目次 | 子連れ温泉ガイド地熱愛好会HOME