キッザニア X キッザニア グリーンサンタのクリスマス

*10*



8時25分ごろ、裁判所の扉が開き、子供たちが中に吸い込まれていった。
そういえばT君はどうしたかな、と思って、T君ママに電話してみる。

するとT君はトラベルセンターの仕事を終えたところで、これから食事にするという話だった。
私は急いでT君のところに行き、今ならまだスポーツクラブの最終回に入れるかもと言ったが、T君はお給料のもらえるお仕事でないなら、今日はもういいやということだった。
裁判の傍聴も誘ってみたが、裁判所もできれば傍聴ではなく、次回に自分で体験したいという話だったので、今日はここでさよならした。

今日のキッザニア、一緒に回ってくれてありがとう。
また機会があったら一緒に行きたいね。



さて、裁判は「配役決め」「練習」「本番」の順番で行われる。
保護者は本番のみ、裁判所の中に入って傍聴することができる。
但し中では飲食だけでなく、カメラの撮影もいっさい禁止だ。
だから裁判所の画像は、練習を行っているときに外からガラス越しに撮影したもの。

何の役になったのだろうと中をのぞくと・・・おっ、二人とも裁判官席に座っているじゃない。
どうやらカナが裁判長で、レナが裁判官の様子・・・。

T君ママとメールしていたら、うっかり本番が始まったことに気付かなかった。
あたりを見回して、さっきまで沢山いた保護者の姿が見えなくなったことにようやく気づき、私は慌ててスーパーバイザーに頼んで裁判所の中に入れてもらった。

裁判はまだ始まったばかり。
いや、ちょうど今から始まるところだった。




民事裁判では、刑事裁判で検事が座っていた席に、原告と原告側の弁護士が座る。
刑事裁判と比較して、民事裁判は弁護士のお仕事カードゲット率が2倍かも。
手前は額を突き合わせてミーティングする警察官たちの様子。
今回の裁判は民事裁判で、「お菓子食べてしまった事件」。
カナたちが過去に体験した裁判は、「信号無視して走りぶつかった事件」と「街灯にぶら下がって曲げてしまった事件」の二つ。こちらは両方とも刑事裁判だった。

「すごいね、毎回たまたま違う裁判内容だったんだね」と、終わった後で私が言ったら、カナとレナは口をそろえて、
「違うよ。裁判所のスーパーバイザーが三度とも同じ人で、私たちを覚えていてくれたので、わざわざ違う内容の裁判を選んでくれたんだよ」と言った。
そうだったのー?
そんなにお世話になっていたなら、今度ちゃんとお礼を言わなくちゃ。

ちなみにキッザニア東京の裁判は確か四種類あり、あともうひとつは最新の「著作権に関する事件」になる。
こちらも次の機会に体験できるだろうか。



お菓子食べてしまった事件の内容は以下の通りだ。

原告はお菓子工場でお菓子を作り、トイレに行く際、友人の被告にそのお菓子を預かってもらい、「食べていいよ」と言った。
自他共に認める無類のお菓子好きの被告は、それを聞いてひとつ残らず食べてしまった。
お菓子工場体験は三度目ながら、今回は特に綺麗にできたと思っていた原告はたいそうショックを受けて、裁判を起こしたということになっている。

ポイントは、「食べていいよ」とは言ったものの、「全部食べていいよ」とも、「○個しか食べちゃいけないよ」とも言っていないこと。
また、被告のお菓子好きを原告は知っていたはずだと言うこと。

さあ、判決は「弁償する?」。
それとも「弁償する必要は無い?」




プロカメラマンの写真撮影のとき、カナとレナは一緒に撮ってもらっていた
当然意見は分かれた。

悪いことをしたのだから弁償すべきと思う弁償派と、全部とは言わなかったものの食べていいと言ったのだから弁償する必要が無いと思う非弁償派と。

キッザニア裁判所では、裁判の内容を劇のようにセリフを読ませて演じた後、全員に役を忘れて「裁判員」となって意見を交換してもらう。
そして全員の意見を聞き終えた後、もう一度多数決を取る。
最終的に人数の多かった意見を判決とする。

レナの意見は非弁償派だった。
しかし、他の非弁償派の意見が「悪くないので弁償の必要は無い」というものであるのに対し、彼女の意見は「全部食べてしまったのは確かに悪いが、食べていいと言った以上、罪には問えない」というものだった。
ふむ。なかなか面白い意見だぞ。

最後はカナの意見だった。
カナの意見はもっと興味深かった。
「私の意見は、その他です」
唯一弁償派でも非弁償派でも無かった。
彼女は両方の言い分に良いところも悪いところもあったと言った。
それを聞いて、スーパーバイザーは初めて、「実は弁償する、弁償しないの他に、もうひとつ方法があるのです」と言った。



その方法とは、「和解」だった。

和解とは、当事者が互いに譲歩して争いをやめること。すなわち仲直りだ。

こののち、もう一度採決を取ったところ、一人を除いて残る全員が、和解に挙手した。

裁判長であるカナは判決文を読み上げた。
木槌が振り下ろされ、裁判は幕を閉じた。

今回から初めて「判決書」がもらえた。
画像にマウスを置くと、判決書の裏の「裁判員制度」の説明が読めるよ。
やはり本格的に裁判員制度がスタートしたからかなぁ。




裁判所の仕事が終わったら、「刑務所見学してきていーい?」とレナ。
もう何回も見学しているのに、また行くの?

刑務所は警察署または裁判所のお仕事カードを提示することによって、閉園前30分間に見学することができる。

一緒に見学した男の子たちは、鉄格子に両手でつかまって、「出してくれ〜」というポーズ。
外から見ていた保護者の方が笑っておられました。



裁判所の仕事が既に閉園を10分近くオーバー。

そのあと刑務所を見学して、実はまだキッザニアの中にいる。

というのは、あまりにタイミングよくお仕事を回してしまったので、食事をする暇がなかったから。

キッザニア内で購入した食品は、園内で食べなくてはいけないことになっている。
大急ぎで子供たちに食べさせる。
まあせっかくなので、中央広場のツリーの前で。
巨大ツリーを独占気分。

ああでもお片付けする人の迷惑になるから、とにかく急げ急げ。



あと、今日は忘れずに持ってきたペットボトルのキャップを、エコキャップボックスに入れて・・・と。



最後はスーパーバイザーのゴンベさんと手をつないで出口まで。

今日もいっぱい遊んだ。
混雑した土曜日だったのに、前回の平日2部よりよっぽど充実していた気が。


さて、今回の整理券(順番ご案内カード)配布方式について、実際に体験してみて思ったことをもう一度まとめたい。
  • この方法では、出足が早くなることを止めることはできない(むしろ悪化させる)
  • 今までと違い、食事に困らなくなった(列で食べるなどという見苦しいことをしなくても良くなった)のは最大のメリットだった。
  • 朝早くから夜9時までという時間は想像以上に長く、子連れには厳しいことが判った。10時ダッシュのリスクを含めて、この点が、みなさんに休日2部のお急ぎモードをお勧めできない最大の理由となる。
  • 10時ららぽーと開店と同時に最も早くキッザニア前に到着できた人が1番の権利を手に入れる今のシステムは、すぐにでも改善することが可能なので改善すべきと思う。
  • 私は整理券システムを否定しないが、整理券システム導入以降、休日2部に人気のパビリオンを狙うことはお勧めできない(タイミングが合えばやろうぐらいで留めておく方がショックが少ない)
状況は日々変わる可能性がある。
私の書いたレポートも、もう明日には古い情報となるかもしれない。

そして私も私の子供たちもキッザニアが大好き。
今日も明日も明後日も。

またね。




ららぽーと豊洲はイルミネーションの名所でもある

体力が尽きる前に早くおうちに帰るぞ〜


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