◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
16.旅のスタイルが変わっても
ちょうどこの湖際の国道を少し戻ったところに休暇村支笏湖や公営の駐車場がある。
既に日暮れも近い時刻だったので、ほとんどひと気が無い。
この辺りが支笏湖の観光中心地のようだが、目の前で支笏湖ビジターセンターの入り口にも閉館の札が下げられた。
食事処なども閉まっているようだ。観光船乗り場もシャッターが下りている。
太陽はますます恵庭岳に近づいた。
湖の上に沈む太陽の光の道ができて揺れている。
静かだ。
これが今回の北海道旅行の最後の景色。
目に焼き付けておこう。
後はもう、黄昏れる空の下、新千歳空港へ向かうだけ。
途中でお土産を買おうと昨日も寄ったドレモ ルタオに行ってみたが、今日はタッチの差で閉店したところだった。
まあお土産は空港でも買えるさ。
どこかで曇ってくると思った空は、今日一日晴れていた。
雲が茜色に染まった後は、だんだんと世界が色を失っていく。淡い紫のグラデーションを描くマジックアワー。
レンタカーを返却して、空港のルタオでルタオサンデーを食べて、お土産も買って、気が付くと空港内の店舗も次々とシャッターを閉めていった。
私たちが乗るのは最終便。
搭乗案内が流れるのはとっぷり暗くなってから。
きっと飛行機の窓からは千歳の街の灯りがきらきら見えるだろう。
ちょうど一週間前の出発の夜がそうだったように。
長かったような短かったような一週間。
思い返せば旅の多くのシーンが曇天だったような気がするけれど、終わりよければすべてよし。
終盤の青空は何物にも代えがたく。
子供が成長するにつれ、旅のスタイルは変わっていくけれど、
そう、もうこの家族旅行が最後なんて言 わ な い よね?
おしまい