16.登別温泉か登別カルルス温泉か
赤鬼の像は少し古めかしい気がしたが、温泉街に続く道路は道幅も広く新しく、途中にまた大きな真新しい病院の建物が見えたりして、まるで最近区画され開発された新興住宅地のように思えた。
パパに豪雨の中での運転は疲れなかったかと聞くと、図体の大きいキャンピングカーを運転する方がはるかに疲れたとのこと。普通サイズの車なら運転に慣れているのでへっちゃらだとか。
乗っている方は気が気じゃなかったけど、運転手は鼻歌でも歌いだしそうだった。
登別温泉は大きな旅館が立ち並んでいて、私たちが泊まる
第一滝本館はほぼ最奥に位置していた。
車を地下の駐車場に入れて、豪華なロビーに入り宿泊手続きをした。
一週間の北海道旅行、最後の宿泊地はキャンプ場じゃなくて大型温泉旅館。
今夜は夜中まで好きな時にお風呂に入って、雨の心配も寒さの心配もせず、虫の攻撃も受けずふかふかのお布団でぬくぬく寝られる。
最終日の宿泊宿を選ぶ際、もちろん新千歳空港からの交通の便は最優先だったが、温泉宿、しかもできれば温泉の評判の良いところ、もちろん家族四人で泊まってあまり高くないところというのが条件になった。
「登別あたりがいいと思うな」と言い出したのはパパだった。
登別、登別、わーい、登別と言えば温泉のデパート。一ヶ所に泊まるだけでいろんな種類のお湯に入れる楽しみがありそう。
「登別カルルスがいいな、登別カルルス温泉でどこかいいところ無い?」
「カルルスがいいの? ならカルルスで探してみるけど。カルルスだと単純泉だよ」と検索ワードを入力しながら私。
「えっ、白濁しているイメージがあるけど」
そりゃきっと入浴剤のイメージだよ。
「白濁が良ければカルルスじゃない登別温泉がいいと思うよ」
「じゃあ普通の登別温泉で」
そうして一任されて私が選んだのが第一滝本館。
登別温泉に泊まるのは初めてだけど、確か一ヶ所で沢山の種類の温泉に入れる宿があったよね。そこにしよ。