5.くったり温泉レイクイン
ふと気が付くと壁際でパパがガイドのお兄さんと何か相談していた。どうも今日これから行く先のことらしい。
今日の午前中はそこそこの天気だったが、これからまた雨が降る予定なのでそれを踏まえて行き先を選ぶ必要がある。
「意外とここから富良野、近いんだな」
お兄さんに教えてもらったようで戻ってきてそう言った。
現在地-十勝川上流の屈足湖の辺りからだと15キロぐらい南下して西へ曲がるとサホロを経てすぐに南富良野だ。こんなに近いとは思わなかった。
「今夜は富良野辺りでキャンプするか。どうせ午後は天気も悪いし、さっきラフティングの時に見かけた看板の温泉に寄ってから富良野を目指すか」
えっ、オソウシ温泉行っていいの?
「お兄さんはその先にももっといい温泉があるって言ってたよ」
えっ、トムラウシ温泉まで行っていいの?
思わず目が輝く。
一日一湯の縛りがあるし、温泉のためだけに車を走らせるのは無しみたいな大前提があったからもう完全に諦めていた。
「いいよ。今日はもう温泉に入る日にしよう」
やったー。
結局それはぬか喜びに終わるのだが。
オソウシ温泉やトムラウシ温泉に行くにしてもまずはくったり温泉へ行こう。
TACのラフティング&カヌーツアーにはもれなくご近所の
湯宿くったり温泉レイクインの入浴券が付いてくる。
レイクインは今朝、屈足ダムのダム湖を見に行った道を反対側に行けばすぐ。
リゾートホテルという位置づけらしいがどことなく公共の宿っぽさを持つ雰囲気で、ちょうど到着した時は観光バスが入ってきて、ぞろぞろと山歩きのスタイルをした年配と壮年の旅行者が大勢降りてきたところだった。辺鄙な立地かと思ったが、むしろハイキング帰りなどに需要がありそうだ。