3.雨が降る前に遊歩道へ
建物の中はちょっとした釧路湿原のビジターセンターになっていて、土産物なども置いている。
私はてっきりこのレンガ造りの建物が展望台で、入場料を取って階上の展望スペースに上がるだけのかと思っていたが、どうもここは釧路湿原の情報センターのような位置づけで、一般にはこの建物の外に出て、徒歩で遊歩道を一周して、その途中にある展望台から湿原を見下ろすのが一般的な観光のようだった。
さて、遊歩道の一周コースは約1時間で、2.5キロと展示されたパネルに記載されている。
ちょうどここから一番離れた辺りにサテライト展望台というものがあって、右回りで一周するか、左回りで一周するか、あるいは左からサテライトにアクセスし、そのまま元来た道を帰るかという三つの選択肢があるようだ。
往復コースが左のみなのは、左半分の道が平坦な木道で歩きやすいため。
受付の人に相談すると、こんな天気なのでもしサテライト展望台に行くならできるだけ早く行った方がいいだろうとアドバイスされた。
今現在、既に小雨だが、もっと天気が悪くなると何も見えなくなってしまうと言う。それは嫌だ。
右側から一周するか、左側を往復するか迷うところだったが、パパはそのどれでも無く左側から一周しようと提案した。
「天気が悪かったらそのまま左の道を戻ればいいし、天気がそんなに悪く無かったらそのまま一周すればいいじゃない」
なるほど。