◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
2.釧路市湿原展望台
残念ながら三日目の空も曇っていた。
雲があるという程度ではなく、全面灰色。
雨は降っていないが気が滅入るには十分な暗さ。湿度も高い。
もちろん肌寒く、私たちしか泊まっていなかったキャンプ場はもう完全に夏と言う季節が終わってしまっていた。
そもそも北海道では8月のお盆を過ぎたら夏どころか、とっくに秋が来ていたと思って間違いないみたい。
朝食を食べ、ゴミを出して山花公園オートキャンプ場を出発したのは8時半ちょっと前くらい。
本日の予定は釧路から帯広に移動して、昼間は帯広でスイーツ巡り、夜は道新十勝川花火大会に行くというものだった。
しかしせっかく千歳から遠路はるばる走って釧路まで来たのだから、昨日の丹頂鶴だけでなく、釧路湿原も見ていきたい。
湿原を見下ろす展望台はいくつかあるが、山花公園からも行きやすい釧路市湿原展望台に寄っていくことにした。
空模様を見るとあまり景色は期待できないが・・・。
道路は一直線。
道の両側に等間隔に立ち並ぶ下向きの矢印が刺さった標識は、降雪時に道端が判るように設置された固定式視線誘導柱だ。
湿地帯は木もあまり無く鈍い色の空はのしかかるように広い。
途中でぽつぽつと雨が降ってきた。
やがて道は白樺の林の中を抜けて、右手に展望台の駐車場に曲がる道が現れた。
ちょうど前を走るバイクの集団も私たちの進路同様、次々と右に曲がっていった。
釧路市湿原展望台の駐車場は、その広さの割に停まっている車は少なかった。
8月の日曜日とは言えこの天気だ。
展望台の建物は駐車場より少し高いところにあり、階段を昇っていくようになっている。茶色っぽいレンガ造りの建物で、曲線が多く洋酒の醸造所かサイロをイメージさせる。
キャンピングカーの隣に停められていたバイクは大量の荷物がくくりつけられていたが、何故かその一部が下に落ちて散乱している。拾ってあげたい気もするが、勝手に人の荷物に触るのも憚られるので悩むところ。
この荷物が落ちている理由は、展望台の建物まで来てようやく判った。
「ご注意 バイク・自転車の荷台に食糧等があると、カラスにより散乱することがありますので、外から見えないようにお願いします」という張り紙があったのだ。
うわぁ、犯人はカラスか。キャンプ場でも夕食の食べ残しとか狙われるからなぁ。
小雨がぱらついていたので私たちは小走りで建物まで移動した。
展望台の入口まで来てみると、それほど登ってきたようには見えないのだが、駐車場のその向こうに遠く釧路の町の製紙工場の煙突なども見えた。