1.レンタルキャンピングカーの電源トラブル
河川敷の斜面の段々になったコンクリートに座っていまかいまかと花火が上がるのを待っている。
空は徐々に暗さを増してきたが、正面の十勝川の上空はもくもくと黒い雲が湧いて早い速さで流れている。
ポツリと冷たいものが頬にあたった。
ぎょっとして頭上を見上げた。
お願い、雨だけはやめて。
これから待ちに待った花火大会なんだから。
願いもむなしく、1分後にはそこはざんざんぶりの大雨となっていた。
キャンピングカーで眠るというのは、実はなかなか苦行だ。
地面が斜めになったキャンプサイトにテントを張った場合も結構つらいが、このキャンピングカーのでこぼこの簡易ベッドで寝るのも同じくらい辛い。
いやいや二階で寝ればたぶんフラットなんだと思う。
レンタルしたこのタイプのキャンピングカーは、運転席の上に低い天井の二階部分があってベッドになっている。
また、後部座席をがちゃんがちゃんと組み替えて、一階もほぼ全面ベッドにできる。
二階を子供たちが、一階を親二人が使った。
二列の座席になっているものを背もたれを倒したりしてフラットにするのだが、一昨年も今回もその倒し方が判りにくくて悩んだ。
レンタルした(株)ドライブではキャンピングカーを二台保有していて、一昨年と今年では別の車を借りたのだが、基本的に作りは同じ、ベッドの組み立て方も同じ。
背もたれを倒すとき、普通は後ろにそのまま倒したくなるが、このキャンピングカーではまず座る方のクッション部を前に持ち上げてそのまま倒し、空いた前方のスペースに背もたれを押し込むような形になっている。
言葉で説明すると判りにくいね。でも図解しても判りにくい。何というか、先入観があると絶対に間違えるシステム。
で、やり方がわかればすんなり行くのなら良いのだが、これがまたレバーが固かったり、途中で止まってしまったりして、なかなか上手く行かない。
おそらく今まで借りた人の多くも四苦八苦して動かしたようで、なおさらレバーが固くなっている。無理に動かそうとした人も多いに違いない。
そしてようやくフラットにしても、椅子のクッション自体が微妙に真ん中が膨らんでいて、合わせ目の隙間は凹んでいて、結局あまり平らな感じにはならず、朝になると寝苦しかったと体のふしぶしにだるさや痛みを感じながら起きる羽目になる。
それでも毎回テントを張るよりはずっと楽なはずだが。