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平湯キャンプ場日記3-9


9.神の湯

 女湯はまだ上だ。
 とにかく一番高いところにあるので、もうちょっと我慢して道を登らなければならない。
 坂の一番上に脱衣所の小屋があった。
 がらりと開けると、数人の先客。3組ぐらいか。
 子供たちをぬがせて、掛け湯をしてやる。熱い熱いと悲鳴。そんなに熱くないけどなぁ。
 大丈夫だよと入れさせる。
 ああ、覚えている。半分屋根がかかった岩風呂。こんな風だった。
 お湯は二ヶ所から注がれ、ひとつはパイプから直接、もう一つは岩に当たって跳ね返っている。お湯の当たる場所は赤茶に染まっていて、お湯の色もごく僅かに青白く濁っている感じ。白い湯の花が沢山舞っている。

 いい感じの硫黄の臭い。
 これはなぁ、この臭いは山の方に来ないとなかなか嗅げないから。アブラ系の臭いは平地でも沢山あるんだけど、どうしてもゆで卵みたいな臭いが嗅ぎたいときがある。
 味がまたなんとも言えず。
 ゆで卵系なのに、じゅわっと来る炭酸な感じ、さらに弱い苦みと金属らしさもあって、非常に複雑でまことに美味しい。これは飲むためだけにまた神の湯に来たいかも。
 そこまで思うお湯はそうないぞ。

 やっぱり最後に神の湯を選んだのは正解らしい。
 これで心おきなく東京に帰れる。

 気が付くとまた薄日が射している。
 ほんの僅かの間だけど、台風は見逃してくれる気になったようだ。
 カナとレナを並べて洗髪した。
 滑川温泉の時も思ったけど、こういうお湯で洗髪すると髪の毛にうようよ湯の花がついちゃうんだよね(笑)。

 いつの間にかみんな上がっちゃって、貸切だ。
 夏の草いきれ。おにやんま。
 ああ、いい湯だな。


記憶に有るとおりの神の湯 薄青い綺麗なお湯


 後ろ髪を引かれながら上がって、休憩所で待っていたパパの処へ戻ったら、急に大粒の雨が降り出した。
 判る。
 これは本物だ。
 今度こそ台風が追いついたのだ。さあ、急いで退却だ。

 パパは風呂上がりにのどが渇いたので入り口で飲み物を買おうと思えば、相変わらず受付係は工事現場の方に入り浸りで、仕方なく彼は無人の受付に代金を置いて飲み物を買ってきた。



3-10.エピローグは雨の中・・・へ続く


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