平湯キャンプ場日記1-6

6.どうか雨よ降らないで

　夜7時になった。
　実は7時からは大イベントがある。
　キャンプチームの他に、たまたま近くの新平湯温泉に泊まっているyuko_nekoさんと別のオフのメンバーが合流して、キャンプファイヤーをやる予定なのだ。
　キャンプファイヤーのレクは晶さんがリードを取ってくれて、まずは火の神の点火から始まり、子供たちができる簡単なゲームをいくつかすることになっていた。

　火の神役はだだ星人さんだ。
　晶さんは彼に似合う衣装を考えていて、全部装着すると妙にポリネシアンな火の神だださんの出来上がりだった。怖いくらいの、はまり役だ。
　トーチ(松明)も晶さんが準備して、スティックの先に入れる灯油を買いに行ったところ、キャンプ場のガソリンスタンドは4本の松明用灯油を38円できっちり小分け売りしてくれた。

　　時間になりキャンプファイヤーの会場に全員で移動したが、なかなかyuko_nekoさんたちが到着しない。
　ほどなく電話が入り、今宿を出たところだから少し遅れると知らせてきた。
　向こうは大勢の子供たちを連れてくる。時間通りに行かないのは無理からぬこと。
　たぶんあと10分ほどで到着するだろう。
　じりじりと暗闇の中で不安を感じながら待っていると、カナが「雨が降ってきたよ」と言った。
　本当だった。
　奇跡的に今まで保っていた天気がついに限界に来たようだ。
　ぽつりぽつり降り始めた雨は、少しずつ勢いを増してきた。
　どうしよう、どうしよう。
　やっぱりキャンプファイヤーは中止!?。