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榛名湖日記ファイナル1-9


9.榛名湖の氷上で

 チェーン必携と聞いていたが、榛名山北麓はまったく雪がなかった。年末の方がよっぽど道も凍っていた。四万温泉を出たところで見た道路脇の電光表示板でも今の気温は19度。
 道に雪がなければ、北麓もすいすい。
 しかし、今回の目的は氷上わかさぎ釣り。こんなに暖かくては氷が融けてやしないか?
 心配…。
 道を登り詰め、カーブの前にちらりと白い湖が見えた。
 小さなテントがいくつも並んでいる。
 ああ良かった。まだわかさぎ釣りはできそうね。

 2月の榛名湖は氷上に小さな花が沢山咲いているかのように賑わう。
 花に見えるのは氷上わかさぎ釣りの人影や簡易テントで、一面に点在している。
 もう昼過ぎなのにいっぱいいるねぇ。
 わかさぎ釣りは早朝が勝負。みんな朝から張り切って糸を垂らしていたのかな。

 いつもの宿に着いた。
 チェックイン時間にはちょっと早かったが、他にもお客さんがロビーのあたりに何人もいる。この宿がなくなるまであとわずか。今日来ているのはほとんど常連さんらしい。みんな口々に残念だとか名残惜しいとか話している声が聞こえてくる。

 実は管理人の奥さんに、これまでの榛名湖日記をプリントアウトしてプレゼントすると約束していた。
 過去の榛名湖日記は1から8まである。全部旅行中に現地で書いたものだが、あまりの長さに全部印刷したらA4用紙で300枚に及んだ。分厚いがっちりしたファイルに綴じたら猛烈に重かった。
 管理人さんはぱらぱらめくって、榛名湖での今までのことを自分もまとめようと思っていたが、これはいい資料になるんじゃないかなと仰った。
 いやー、資料にはならないと思いますよ。
 単なる我が家のアルバムみたいなものですから。


北麓からの道を登り詰め、榛名湖畔へ。ああ、まだ氷上ワカサギ釣りのテントが見える。間に合ったか。

朧空を背景に榛名富士

部屋のベランダからのぞむ氷結した榛名湖の氷上ワカサギ釣りの様子

人形の洋服をハンガーに掛けるのに忙しいレナ

部屋で早速おもちゃのアクセサリーで遊ぶ子供たち 


 部屋に入るとなにやら湖上の様子がおかしい。
 一面に点在していた釣り人が、三々五々撤収していく。
 どうやらついに、氷上立ち入り禁止令が出されたようだ。
 まあねぇ、これだけ暖かい日が続けば危険だろうね。今まで禁止令が出されていなかった方が不思議だ。
 しかし今から禁止だと、せっかくわかさぎ釣りを楽しみに来たパパは、もしかして今年は釣れない?

 とりあえず暖かい服に着替えて、湖の方へ様子を見に行ってみよう。

 子供たちには念のためスキーウェアを着せた。
 プラスチックのソリも持つ。
 湖まで降りてみれば、もう人影は無い。あんなに沢山の釣り人がいたのに。
 少し歩いてみた。
 表面の氷は、まるで融けかけたシャーベットのようにしゃりしゃりしていて、よくまあ今まで釣りが許されたなと思うくらいに危険そうだった。
 誰もいない氷の上を、大型犬が一匹、所在無げに散歩していた。

 ちょっと岸の斜面でそり遊びをして帰ろう。
 しゃーっと滑って湖の上へ。
 あまり遠くまで滑ると、そこのお客さん、湖に出ないで!!と放送が入っちゃう。


その1時間後…氷上立ち入り禁止令を受けて、潮が引くように消えてしまったテントや釣り人。
手前はレナ、奥の人影がパパとカナ。 仕方ないので斜面でそり遊び。
パパ、わかさぎ釣り、残念でした。  




1-10.夕暮れへ続く


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