子連れ旅行温泉日記

雪見露天風呂紀行【榛名湖日記8】6-1


1.思いがけない出来事

六日目 2003年12月31日(水)


 チェックアウトの朝なので、朝食後は荷物のパッキング。どうせ車だし滞在型だからと、毎回引越し荷物のような騒ぎだ。こんな旅行ばかりをしていると、とても身軽な鉄道旅行などできないかもしれない。

 今日は何処へ寄って帰ろうか。
 昨日まではどこの旅館も貸切状態で入浴できたが、流石に大晦日は混むかしら。
 パパが地図とにらめっこ。
 やがて、奥平温泉遊神館を指した。ここに寄って帰るのはどうだろう。
 うーん。
 パパは気に入っている遊神館だが、実は私はそれほどではない。遊神館方面に行くなら、もうちょっと足を伸ばして、猿ヶ京はどうかな。
 昔、よく猿ヶ京温泉には立ち寄り湯させてもらった。榛名湖に通いだす前は毎年ゴールデンウィークにかぐらみつまたへスキーへ行っては、帰りに猿ヶ京に寄っていたのだ。
 そのときのおなじみは、猿ヶ京温泉センター。鶴と河童がトレードマークの日帰り温泉だ。建て替えて綺麗な露天風呂などできる前から毎年通っていた。当時から湯上りのトコロテンサービスがあり、かしましい三姉妹が休憩室で遊んでいた。あの女の子たちももうずいぶん大きくなっちゃったんだろうな。
 ここ何年も行っていない猿ヶ京だが、ちょうど一年前に新しい日帰り専門施設がオープンしたはずだ。まんてん星の湯。休憩室や食事どころを備えて、景色の良い露天風呂があるはず。
 それに確か、紙芝居や民話を教えてくれる体験施設などもあったような。カナとレナを遊ばせることができるような気がする。

「もう一軒どこか寄ってもいいよ。旅館のお風呂でもいい」
 じゃあねぇ…通り道で湯宿温泉。共同浴場があるはず。
「駄目だよ、ここの共同浴場は夕方からしかオープンしない」とガイドブックを捲ってパパ。
 それなら…
 駄目もとで法師温泉


大晦日の朝、別れの朝… 荷物を積み込み始めると、寂しそうなカナ。


 荷物の積み込みが終わったら、管理人の奥さんが建物の前で写真を撮ってくださると仰った。
 あと三ヶ月でここは売却されてしまうと聞いている。
 私たちが春に秋に思い出を紡いできたこの宿は、あとわずかで役目を終えるのだ。その後のことは不透明で、まだよく判らない。
 2月には榛名湖氷上わかさぎ釣りをするために、もう一度ここに来るつもりだが、たぶんそれが最後になるのだろう。
 撮った写真は、2月にお渡ししますねと約束してくださった。
 駐車場の凍った雪の上を歩きながら、去年も年末と2月に滞在したことなどを話していて、ふと、お正月はいつも取れないんですよねという話をしたら、
「あら、空いているのよ、押さえるだけ押さえてぎりぎりでキャンセルする人なんかがいてね、今夜は一部屋、明日は二部屋も空いているの」と奥さん。

「泊まっていく?」
 え?

 ちゃんと手続きを踏まないと宿泊はできないかと思ったが、延泊に限り現地の手続きでOKだと言う。
 奥さんはすぐ中に入って確認してくださり、
「二階の部屋が空いているわ、もう清掃に入っているから今すぐは入室できないけど」と仰った。
 どうする?
 いいよ。
 本当に?

 カナが心配そうに見上げている。
 あのね、もしかしたらもう一日、湖の見えるおうちに泊まれるかもしれないの。
「やったー!!」


今回の旅行中、乳歯が二本も抜けて、
前歯ががたがたのカナ カナがうっかり雪の上に座って、お尻に雪がついてしまった
するとレナも真似をして…
何もあなたまでわざわざお尻を真っ白にすることないのに(笑)




6-2.新治村へへ続く


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