榛名湖日記 その6 最終日 ◆赤城のプールで遊んで帰ろう◆



4月29日(火)

 昨日、尻焼温泉の手前の花敷で買ってきた花敷ベーカリーのパンで朝食。


 素朴な味がする。何だか懐かしいような…。

 今日は榛名湖最後の日。
 それを聞いてべそをかくカナ。ここが大好きなんだよね。帰りたくない? またすぐ遊びに来るよ。


 ↑妹撮影。(レナはなかなか名カメラマン)

 ここにいる間、カナとレナの二人は、ダンボールに自分たちで穴を開けて、「かみさま」と呼んで遊んでいた。子供たちが自分たちで考え付く遊びは独創的で、しばしば宗教がかっている(笑)。


 これがその「かみさま」。中がどうなっているかというと…

 
 こーんな感じ(「かみさま」関係の写真はどうも親が見ていない間に子供たち同士で撮影したようで、な~んか楽しそうですね)。

 今日は榛名湖で白鳥の船に乗るって約束してたよね。
 朝からいいお天気。
 昨日対岸の榛名湖レストハウスで聞いたところ、白鳥型の遊覧船は20人乗り、出航時間は特に定めておらず10人以上客が集まり次第運行するとのこと。
 流石は旗日。10時前なのにもう白鳥遊覧船は湖を泳いでいる。
 仕方ないから次の出航を待とうと思ったら、子供たちは小さい白鳥の方に乗りたいと言う。
 パパは苦い顔。だって小さい方はこがなきゃいけないもん。


 カナとレナはわくわくと乗り込む。


 パパとママがエンジン。カナとレナが運転手だよ。
 観光地の湖にどうして白鳥みたいなボートを置きたがるのか、昔は不思議だったけど、子供っていうのはこういうのが好きだよね。
 湖上には白鳥の他にも恐竜やてんとう虫のボートもいた。
 この湖が2ヶ月前に来たときは凍っていたんだよな。こんなに暖かいと不思議な気がする。
 榛名湖は透明度が低いけど、夏休みにボートに乗った秋田の田沢湖では、餌をくれて撒くとウグイがうじゃうじゃ寄ってきたっけ。


 もう降りる時間なの?

 ボートの後はプール遊びを予定していた。
 この近隣で室内プールを備えている温泉施設というと、リバートピア吉岡スカイテルメ渋川ユートピア赤城の三つがある。この三つ、名前のつけ方も似ているし、吉岡町と渋川市と赤城村が相談しあって作ったの?
 リバートピアは前に入ったから、スカイテルメユートピアのどちらにしようか。
 温泉としてはスカイテルメのほうにより興味があるが、プールとしてみた場合、スカイテルメはバーデプールのみなのに対し、ユートピアはスライダーや幼児プールもあるらしい。今回はユートピア赤城にしよう。


 ここはプールと温泉と別料金で、共通券もある。3時間用の共通券を購入した。
 プールは一階、休憩室と温泉浴場は二階に有り、共通券を購入すると両方に行き来できるピンクのゴムを渡された。これを腕につけて目印にするのだそうだ。



 子供たちはもうプールに夢中。昨日の尻焼温泉では泳げなかったものね。
 幼稚園でスイミングを習っているカナはもちろん、まだ何も教えていないレナも水を怖がることなく、腕にはめる浮き輪アームヘルパーをつければ一人で顔を水につけてばしゃばしゃ泳いでいる。
 室内といえど採光もよく開放感に溢れていて、プール施設としてはとてもよいと思う。

 まだまだ泳いでいたいというかカナとレナを説得するために、パパは「いい子でお昼を食べたらまたプールに入っていい」と約束して上がらせた。彼は後でこの約束を後悔することになる。

 二階の休憩室で食事も取れる。
 パパはわりと食事が取れる和室大広間の付いた温泉施設を気に入る傾向にある(温泉の湯そのものは、ぴりりと効く硫化水素泉が好きらしい)。
 「なかなかいい施設だな」←まだ温泉に入ってないのに(笑)。

 すっかりくつろぎきったパパは、自分はここで待っているから温泉のほうに入ってきていいぞと言う。
 「カナ、一緒に温泉入る?」
 「入らな~い。プールの方に行くんだもん」
 「レナは温泉入る?」
 「うん、レナは温泉入るよ」
 …なんかレークサイドゆうすげのときと同じパターンだ。


 さてこのユートピア赤城、プールや休憩室は家族連れにとてもお勧めだが、温泉はもうちょっと…だった。
 にゅるっとくる湯の感触はなかなか嬉しいが、他はあまり特徴がない。無色透明、わずかに粉のような湯の花。臭いは立派なカルキ臭。最初はプールに入った後だったので自分の体にカルキ臭がついているのかと思ったが、湯口でも強烈に臭っていた。景色もほとんど見えず(画像は男湯)、残念ながらまた入りたいと思うほどではなかった。リバートピア吉岡の方がずっといい。
 ここは同じ敷地内に、温泉のみを楽しむ施設「赤城の湯 ふれあいの家」があるので、もしかしたらプールなど付帯設備で遊ぶのでなかったら、そちらに行くのがいいのかもしれない。

 上がったら、交代でパパとカナが温泉に行くと思っていたが、カナはどうしてもプールに行くといって聞かない。
 「だってさっき約束したよ!!」

 仕方ないのでパパに一人で温泉に入ってきてもらうことにして、私がカナとレナを連れて再びプールへ行くことになった(笑)。
 ぬれた水着をもう一度着るのって気持ち悪いのよねー。

 まあ二人ともよく遊んだ。
 結局3時間券を遥かに時間オーバー。プラス2時間分の超過料金を払った。
 子供たちが楽しかったならいいよね。ユートピア赤城、子連れにはお勧め。

 これで真っ直ぐ帰途につくのかなと思えば、パパがプールの後だから子供たちの髪を洗ってから帰ろうといってくれた。
 お隣のふれあいの家でもいいんだけど、同じ敷島温泉じゃなくて、ちょっと気分を変えるとしたら…。
 「近くでどこかある?」
 「最近リニューアルして露天風呂もできたという子持村温泉センターにしよう」
 距離はほぼ6キロほどだった。あまり離れると、プールで遊びすぎた子供たちが入眠してしまう。

 白井温泉 子持村温泉センター。途中の看板にも入り口にも「源泉100%掛け流し」の文字が書かれている。が、しかし、リニューアル後新設したという露天風呂は循環にしてしまったらしく、一部には「源泉100%掛け流し」の後に「(内湯のみ)」と括弧書きで書かれているところが笑える。



 もう一つ笑えるのはここの暖簾。
 赤や紺地に「ゆ」とあるのが一般的だが、ここのは自家製温泉タオルを三つ繋げたお手製の暖簾だ(このタオルにも源泉100%掛け流しの字が躍っている)。いいなぁ、このアナログな感じ。

 結構市街地にあるのだが、妙に地元に密着した温泉だ。都市型でも観光地型でもない、村のたまり場的な雰囲気がいい。またここは久しぶりにとても年齢層の高い温泉施設でもあった。お客のほとんどがシルバー世代だ。


 カナもレナもパパと入るというので、のんびり入らせてもらった。
 浴室に一歩足を踏み入れたとたん、植物的な甘い臭いが充満しているのを感じた。お湯は熱めでさっぱりしている。とりたててきしきしもにゅるにゅるもしない。少し黄茶色っぽい気もするがほとんど透明。お湯の臭い自体も薄いが、湯口に近づくとほんのりウィスキーのような香り。もしかしてこれがモール臭?
 新しく作られた露天風呂は綺麗にしてあるがカルキ臭が強くて逃げ出したくなる。回りは全て囲われ、取り立てて展望があるわけでなし、無理に露天風呂を作らなくても良いような気がするが、とても温まる湯なので、涼みに外へ行くのはいいかもしれない。満開の躑躅が一株あってとても綺麗だった。

 ところで頭を洗うはずだったが、ここにはシャンプーの備え付けはないのであった。日ごろ温泉で頭を洗うことを重視しないため、マイシャンプーなど持って来ていない。仕方なくパパは娘たちの頭を石鹸で洗ってくれたらしい(笑)。
 もちろんここの入浴料を考えるとシャンプーなどついていなくて当然なのだ。何しろ家族四人で計500円しか払っていないのだから(内訳 大人1時間以内250円、小学生未満のお子様、無料)。
 いつまでもこのままであってほしいと思うような温泉だった。



 最近のお約束はお風呂上りの牛乳。ビン牛乳じゃないと駄目というこだわりあり(変な娘たち)。二人で仲良く一本飲む。

 子持村温泉センターは隣に蕎麦屋があって、そこから出前も頼めるし行き来することもできる。
 そこで夕食を食べて今回の旅を終わりにすることにしよう。



 カナは「眠い」と一言、何も食べず蕎麦屋の座敷で寝てしまった。
 クリーム餡蜜はレナ一人のもの。相変わらず美味しいところはすかさずもらっていく妹だ。

 東京ではすっかり春の気配も消え、初夏のような4月末。
 上州の山ではまだ早春の足音。
 山を彩る桜、一面の菜の花、木の芽の黄緑…。
 ゴールデンウィークの群馬、それは遅い春の花を探しに行く旅だった。

おしまい

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