榛名湖日記その6 二日目◆大胡ぐりーんふらわー牧場と根古屋乃湯◆



4月27日(日)

 朝の榛名湖は薄曇だった。レナは夜中に散々夜泣きして大人を寝不足にした挙句、朝は早くに起きだして、「パパ、ママ、早く起きてよ!!」と、騒がしい。
 曇っているから気温も低めだ。子供たちにも長袖の上にフリースを着せた。


 今日はどうしようか。のんびり朝食をとったあと、ガイドブックをぱらぱらめくる。
 パパが、子供たちが喜びそうなところを選んで、と言う。
 自分が行きたいところならあるけど、子供たちが喜びそうなところねぇ…。
 吾妻渓谷に行きたいのだが、子供たちは喜ばないかな。それに遊歩道を歩くようなコースを選ぶと、絶対レナが思った方向に思った速度で歩いてくれないだろうから辛いかな。もう一年くらいすれば歩いてくれるようになるだろうか。来年のゴールデンウィークも榛名湖にいる可能性大だから、もう一年待ってみるか。

 うーん…ぐんまフラワーパークはどう?
 せっかく花を見に来た旅なんだし、4月中旬から下旬は10万本のチューリップが見ごろらしい。桜の次はチューリップなんていいかも。
 カナ、今度はチューリップの絵を描く?
 描く描く。
 よし、決まりだ。
 でもいまいちパパは乗り気ではないよう。今日はゴールデンウィークの日曜日、きっとどこを選んでも混雑しているよ。仕方ないってば。

 ぐんまフラワーパークは赤城山の南麓にある。前に行った赤城高原牧場クローネンベルクの近くだ。
 榛名湖を出発して赤城方面へ向かう。ゆっくりしていたのでもう10時半を過ぎてしまった。まあ、いいか。急ぐ旅でもなし。

 富士見温泉見晴らしの湯ふれあい館を通り過ぎると、丘の上に印象的な風車が見えてくる。道の駅大胡ぐりーんふらわー牧場だ。

 確かここは子供向けの遊具や長いローラーコースター、動物ふれあいコーナーがあるよ。
 ということで、いきなりぐんまフラワーパークではなく、ぐりーんふらわー牧場に寄ることに。相変わらず行き当たりばったりで無計画な我が家である。

 ちょうど空も晴れてきて、暑くなってきた。
 駐車場はほぼ埋まっているが、何とか入れる。混みすぎていないのが幸いだ。



 ローラーコースターのほか、大きな複合遊具が三種類くらいある。登ったり潜ったり滑り降りたり、子供たちはもう夢中。
 園内には桜も咲いているし、バーベキュー設備もあっていい匂いが漂っている。

 一番奥がふれあい動物コーナーだ。
 鹿、ウサギ、羊などがいる。
 動物の囲いの中に入れるわけではないらしいが、適当にその辺の草をやるのはOKらしい。小さい子供はみんなあたりに生えている草をむしってきては檻の中の動物たちにあげている。


 これは羊に餌をやるカナとレナ。


 
 餌やりは楽しい。二人とも夢中で大きな草を探しては一目散に動物の檻前まで駆けて来る。
 見つけたよー。
 レナの葉っぱのほうが大きいよー。
 この適当さ加減が我が家好み。はっきりいって、子供たちは羊の毛刈りだの、シープドッグのショーだの見るより、自由に餌をやっていいという方が何倍も嬉しいのだ。
 この大胡ぐりーんふらわー牧場、駐車料金も入場料もいらない。これだけ遊べて大正解かも。


 一面の菜の花。
 ぐんまフラワーパークのチューリップの代わりになる?

 気が付くと午後1時半。
 お腹が空いたのでそろそろ昼食にしよう。場所が場所だから、この間、滝沢温泉に来た帰りに寄った蕎麦屋、喜楽庵で美味しいお蕎麦を食べるというのはどう?


 とうに昼食時間は過ぎているので、すぐに座れるかと思いきや、流石はゴールデンウィーク、喜楽庵は混んでいた。記帳してしばらく待つ。お腹はもうぺこぺこ。
 せいろ二枚と田舎蕎麦一枚、それにビールのつまみに焼き味噌を頼んだ(画像は田舎蕎麦)。蕎麦より味噌の方が早く来たので、パパは空腹を抱えた子供たちに、つまみの味噌を全部食べられてしまった。可哀想に。
 それにしてもここのお蕎麦は美味しい。この歯ごたえ。やっぱりお蕎麦は喜楽庵だね。

 このあとどうしようか。
 パパはぐんまフラワーパークと温泉とどっちか選んで、と言う。
 時間的に両方は無理か。
 じゃ、温泉に行こう。
 場所が場所だから、一番行きたいのは赤城温泉だが…。
 パパ曰く、既に一般的な宿のチェックイン時間だし、ゴールデンウィークの日曜だから日帰り専門のセンター系のほうが無難なのでは?
 確かに…。立ち寄り受付時間がたとえ午後5時くらいまでだとしても、旅館系のお風呂を独占状態で楽しむには10時から14時くらいの方が良い。
 そうしたら、ここからだとまずは北橘温泉ばんどうの湯。その先なら子持村温泉センター金島温泉富貴の湯とあるが…もっと遠くていいなら前から行きたかったところがある。せっかく天気も良くなったから、眺めの良い露天風呂がいいかも。そうしたらここはどうかな? 根古屋城温泉センター

 赤城山麓の353号線をずっと行くと、道は関越道を越えて小野上村に入る。根古屋城温泉センターは吾妻川の南岸にあるのだが、カーナビの地図を見て適当に場所を入力したら、最寄の道路がナビで認識せず、気が付いたら川の北岸を走っていた。
 だいたい、根古屋城の売りは、高台から見る開放的な景観だというのに、いつのまにか辺りの景色は川で穿たれた谷あいの様相を帯びて、どう考えても近隣に眺めの良い露天風呂などありそうに無い感じだ。
 再度場所を確認。353号線を小野上駅を越えて村上という信号で川を渡り、引き返すことにした。
 まあ、どうしても根古屋城温泉センターに辿り着けなかったら、この辺には小野上温泉あづま温泉もあることだし…。

 川の南岸の県道35号線をしばらく走ると、ガソリンスタンドの手前で根古屋乃湯の看板を見つけた。根古屋城温泉センターは別名、吾妻温泉根古屋乃湯と言う。



 看板に偽りはなかった。場所だけでなく景観もだ。ちょうど谷あいから、開けた側を望む高台にある。女湯は北側の半分が雨乞山などに遮られるが、それはそれ、山の斜面も新緑とときおり桜の淡紅色で山が染められ美しい。男湯からはまさに絶景、渋川市街から赤城山までなだらかな稜線が楽しめる。
 春のうすぼんやりした大気がフィルターとなって、何もかもが柔らかい色調の背景だ。ここは夜も11時まで営業しているが、さぞや星空と夜景が綺麗だろう。

 内湯はタイル張り円形の浴槽と、四角い木製の浴槽とある。
 露天風呂は大層広く、三箇所からどぼどぼと源泉が注がれている。
 最初入ったときは、少しきしきしするくらいで、無色透明、ほとんどにおいもない湯でさほど特徴的だと思わなかったが、それは誤りで、実はかなりヘビーな温泉であった。
 先に泉質を確認しなかったので先入観で単純泉かなと思ったのだが、非常に良く温まり、ちょっと入ってはすぐ涼みたくなるくらい。しかも涼んでいると乾いた肌がひりひりとつっぱるようで、どうもいかにも塩化物泉的だ。味はなにやらまったりとした感じで、塩味などはまったくしない。ごく細かい茶色い粉のような湯の花が少し浮いている。
 上がってから確認したらやっぱりナトリウム-塩化物泉だった。どうりで入浴中にずしりと疲れる感じがしたわけだ。肌も少しすべすべ感がある。

 露天風呂の奥に、元々寝湯なのか、ごく浅く温い浴槽らしきものがある。子供たちはここが気に入って、露天風呂とそこを交互に入ってさっぱり出ようとしなかった。
 そのことを見越したパパは、女湯に向かった三人がいつまでも上がってくる気配がないので一人で休憩室でくつろいでいた。
 途中通った富士見温泉など相変わらず駐車場は大混雑だった。たぶん浴室も休憩室もぎっしりだろう。この根古屋城温泉センターの休憩室は連休の日曜でもがらがらだったそうだ。まだまだ穴場なのかもしれない。

 長湯しすぎたので榛名湖に戻る頃には5時を回っていた。
 今日もよく遊んだね。
 まだ楽しい休日は続くよ。
 明日は何処へ行こう。

続く…