榛名湖日記 その4 三日目  ◇草津国際スキー場で雪遊び・川原湯温泉にも寄ったよ◇


12月30日(月)

 朝は食パン。見て見て! お目々とお口のところを食べちゃったら、しょくぱんマンだよ。


 さあ、今日は雪遊びにスキー場へ行こう。
 榛名湖からスキーに行こうとすると、草津・万座方面か、水上・谷川方面…。あるいは、軽井沢、大穴で赤城山。
 しかし、おととい水上方面へ車を走らせたし、昨日は赤城山までは行かないまでも伊香保・吉岡町方面へ行った。まったく違うところと言うと…やっぱり草津?
 草津国際スキー場には、キッズゲレンデがあって、ソリ用のリフトもあるという。いいかも。

 心配だったのは、渋滞、駐車場、雪道…。
 でも9時に榛名湖を出て、渋滞にもあわず、一時間後には、草津についていた。駐車場もゲレンデに近いところに停められた。草津周辺は除雪してあって、榛名湖より道は走りやすいぐらい。
 朝にはぽかりぽかりと浮かんでいた雲もどこかへ消え、抜けるような青空。


 めいめい、自分の乗るソリをひく子供たち。カナはピンクでレナは緑。


 うっわー、凄い人。流石は年末のお休みだ。こんなに混んでいて大丈夫だろうか。


 最もベースに近い天狗山ゲレンデにキッズ専用ゲレンデはある。
 ネットで囲われていて、画像のところでチケットを買うと入場できる。入場料はソリ一台につき500円。ここにソリ専用リフト(斜度のある動く歩道みたいなやつ)があり、入場すればそれに乗り放題。またチケットを持っていれば何度も出入りできる。
 入場料をケチりたければ、ネットの外にも同じような緩斜面があるから、そこでソリ遊びも出来る。しかし何が一番大変かって言うと、子供は歩かないでソリに乗ったまま上まで引っ張り上げてもらいたがるから、それをしなくて済むなら、500円は安いかもしれない。


 何度も言うようだけど、凄い青空でしょ。

 カナはスキーを履いてみる。プラスチックのパンダスキーだけど、本人はいたって真剣。


 群馬から帰って四日後には、今度は志賀高原に行くよ。そのときはスクールに入るからね。がんばって練習するよ。



 レナも雪におおはしゃぎ。うわ~い!!



 レナもスキーを履いてみたよ。ちょっと怖いなー。がくがくするよ。



 これがそのソリ専用リフト。たいした斜面じゃないんだけど、これがあるのと無いのでは結構、親の負担は違うよ。


 ソリ二人乗りだい。ひゃっほー。


 パトロールセンターの前辺りにキッズスクール専用のゲレンデもある。小さい子供たちが並んでレッスンを受けているのは可愛いね。草津のキッズスクールは、「草津スキーの幼稚園」っていう名前なんだ。

 お昼は11時半頃、パトロールセンターの隣にあるスパゲティ専門のところで食べた。隣にはケンタッキーの店が入っていて、そこは何時見ても行列。


 ほら、上手になったよ。平らなところでは転ばなくなったもん。


 レナは雪遊びのお友達ができたみたいだね。

 いやはやもう、よく遊んだ。4時間以上遊んでいたかも。風も無い暖かい日で、理想的な雪遊び日和だった。
 子供たちはまだまだ帰りたくないと言っていた。時刻は午後二時半。

 それを何とか説得して車の中に戻り、買ってきた温泉まんじゅうをみんなでぱくぱく。


さあ、ここまで来たら、あとは草津温泉に入って帰るでしょ…と思いきや、車はみるみる草津を抜けていく。ななななななんでぇ~?

「こんな遅くまで遊んで子供たちも疲れているし、あんなにゲレンデに人がいたんだから、草津の日帰り入浴施設は混んでるでしょ」とパパ。
 ショック~。草津温泉に入れるかと思って心るんるんだったのに。朝は西の河原大露天風呂にでも寄って帰ろうかって言ってたのに。夏休みの東北旅行以来、駒ヶ根でも伊豆でも昨日一昨日の群馬でもずーっとアルカリ寄りばっかりで久しぶりにばりばりぴりぴりの酸性泉に入れるかと思ったのに~。
 残念無念。
 でも子供たちのこと考えると仕方ないか…。
「その代わり草津以外ならどこか寄ってもいいよ。例えば川原湯とか」
 うっ…今回の旅行で一番入りたかった川原湯温泉を引き合いに出すか。
 しかし他にも立ちはだかる問題点が…。

 草津で入浴して車に乗せれば、子供たちはさっぱりして車中で夢の中になること間違いなしと思ったけど、下手に草津を離れてしまうと、温泉に着く前にレナが入眠してしまう可能性が大だ。もし寝ちゃったら真っ直ぐ帰らざるを得ない。
 もうひとつは駐車場の問題。一昨日のオフでパパはみんなに「川原湯は車を停めるところが無い」と聞いたらしい。確かにガイドブックの川原湯拡大図を見ても、どこにもパーキングのマークが無い。

 とりあえず川原湯へ。レナが寝ないようにビデオをつけて、あれやこれや話しかける作戦を取る。

 川原湯温泉は、平成18年完成予定の八ツ場ダムの底に沈む温泉として有名だ。関東の耶馬溪と称される紅葉と新緑の景勝地、吾妻渓谷にほど近い。
 吾妻線の川原湯温泉駅があるが、駅から温泉の中心地までは少し距離があり、10分ほどは歩かなくてはならない。共同浴場は王湯、笹湯、聖天様露天風呂と三つあり、特に中心地にある王湯のあたりは道も狭く、年季の入った旅館が崖にへばりつくように立ち並んでいる。その様子は、まるで水底に沈むのに抗うのをやめてしまったかのように、どこかうら寂しい。

 本に王湯は川原湯神社の階段下にある駐車場に車を停められると出ていたので、それを探したが、神社の入り口にある坂には進入禁止の看板があるばかりで5台分あるという駐車スペースは見つけられなかった。
 駐車場を探してうろうろと二往復ぐらいしたが、どこにも停められずあきらめかけたとき、旅館街の一番下に有料駐車場を見つけた。
 王湯からは少し離れてしまうので、パパが車を置きに行き、子供たちは先に下ろすことにした。


 看板は綺麗だが、建物は古びていい色になった木造りだ。雰囲気があって共同浴場らしい。
 レトロな受付でお金を払おうとすると、歩ける子供から子供料金がかかるが、一人分でいいよと、レナの分をまけてくれた。

 ここは男女別の内湯と露天風呂がある。ただ、離れているので脱衣所も別だ。裸で移動しないようにと張り紙がある。
 内湯は、脱衣所のドアを開けると浴槽が階段の下にあって、天井が二階分ふきぬけの面白いつくりだが、子供たちは外のお風呂が好きだから露天風呂へ行ってみることにした。


 通路で年配のご夫婦とすれ違ったほかは、ひと気が無いらしい。もしかして貸切状態かな?

 露天風呂は洗い場も何も無く、脱衣所のドアを開けるといきなりある。
 浴槽は四角い石製で浅め、塀は立ち上がってちょうど外がのぞけるくらいに高い。だから立ち上がらないと景色は見えなくて、また、入るときに近隣の宿の窓から覗かれそうではあるかも。
 とはいえ、雰囲気は満点で、特に目の前に何本か葉の落ちた落葉樹が枝を伸ばしているので、きっと紅葉の時期にはお風呂から上を見上げるだけで最高の紅葉狩りができるのだろう。


 肌あたりはやわらかくて、とりたててきしきしもにゅるにゅるもしない。無色透明で綺麗な湯だ。源泉が80度近いので水を止めないでと張り紙が有り、源泉湯口と並んで冷水の蛇口から水が出ている。このとき男湯はかなり熱かったらしいが、女湯は先客がぬるめたらしく、子供にも適温になっていた。
 施設の入り口を入ったときから硫黄らしいゆで卵臭がしていたが、入ってみるとどちらかというと少しゴムっぽい匂いの方が強い。
 竹筒を輪切りにした飲泉コップがあったので飲んでみたら、薄いゆで卵系の味。昼神温泉に似ているかな。
 それを見て子供たちも飲む飲むと言う。80度では少し熱いので水で埋めてやるとごくごくと飲んでいた。カナは「美味しい!!」

 子供たちはこの温泉もお気に入りになって、今回もさっぱりあがろうとしなかった。男湯からパパが声を掛けなかったら、何時まででも入っていただろう。

 ありがとうございましたーと声をかけて、王湯を後にした。
 案の定、レナはすぐに爆睡してしまった。
 榛名山を登り始めると、今日も遠方の雪をかぶった山々が夕暮れの空に映えていた。やっぱり群馬はいいなぁ。なんて綺麗なんだろう。

 川原湯温泉に入った後は、肌が乾いたように白っぽくなって、かさかさに近いすべすべ感と、ちょっとつっぱるような感覚がある。
 宿に戻ってしばらくすると、私もパパも暑い暑いとヒーターを切ってセーターやトレーナーを脱いでしまった。昨日も一昨日も温泉に入って帰ってきたけど、こんなに温まったのは初めてだ。やっぱり川原湯温泉の効果は凄い。

 明日はもう帰る日だよと言ったら、カナは泣きべそをかいた。
 榛名湖が好きなんだね。

つづく

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