榛名湖日記 その3 三日目  ◇万座温泉は最高だった◇


4月29日(月)

 快晴。
 今日は約束通り、船に乗ろう。
 榛名湖の対岸に、お土産やさんや貸しボートが点在する一角がある。榛名湖というのは風光明媚なところだが、割に静かでごちゃごちゃしていない。昨夜、ネットできるグレーの公衆電話を探して湖畔を一周したが、まだ9時前だったというのに国民宿舎などの数えるほどの大きな建物をのぞいて、ほとんど真っ暗だった(ちなみに電話は見つからなかった)。

 この辺りからは榛名富士が真正面に見える。



 ハクチョウかコーヒーカップなら四人で乗れるというので、コーヒーカップをチョイス。
 ハクチョウと同じ足こぎボートだが、屋根がないので開放感があり、形が四角く安定感がある。
 パパと私で両サイドでペダルをこぐ。カナはハンドル係。
 他には釣り人のボートが出ているばかり。対岸までこいでやろうと必死で足を動かしたが、湖の真ん中辺りで早々と断念。


 「水が緑色だね」
 「お魚見えないかな」

 ボート遊びの後は、ドライブ。
 目に鮮やかな新緑が美しい吾妻渓谷の横を通り、草津を抜けて、白根山を見ながら万座へ。

 草津の辺りはまだ桜が咲いている。榛名湖の周りも桜が沢山咲いていた。東京などより春は一ヶ月は遅く来るようだ。
 近景に桜のピンク。遠景に白根山の白い雪渓と真っ青な青空…春は山が色を取り戻す季節。

 標高が上がると道のはしにも雪が残っている。青空を見上げると、パラグライダーが気持ちよさそうに飛んでいるのが見えた。



 白根レストハウスを過ぎて、峠を越えた道が下りにさしかかると、やがてゆで卵のような臭いがしてきた。温泉が近いのだ。

 万座ホテル聚楽、万座プリンスホテルを過ぎて、狭い道を入ると、やがて万座温泉ホテルの日帰り入浴のお客様は、こちらの第二駐車場に車を止めて下さいという看板が見えてくる。


 ここで車を降りて歩こう。道の先は万座温泉ホテルだ。



 三角屋根の大きな建物。
 中にはいると、土産物を売っている大きなスペースや軽食喫茶がある。ロビーは更に奥だ。

 タオル付きで1000円。
 露天風呂は再び外に出て、先へ歩く。


 入り口はこんな感じ。
 ここを入ると下へ下へ階段が伸びているが、そこを降りてしまうとホテル内へ通じてしまうらしい。露天風呂へは下へ降りずにすぐ左手に行く。極楽湯と表示がある。

 脱衣所には使用中の籠がいくつかあって、数人が入浴中らしい。流石にベビーベッドのたぐいは無いので、赤ちゃんを脱がせるとしたら中央の長椅子でやるしかないだろう。錆びたロッカーもある。

 露天風呂へ通じるドアを開けると、中世の外国のお城の廊下みたいな、今までの木造和風とは相容れない不思議な通路がのびている。
 ひんやりした風が吹いてきて、その向こうに有名な四角い露天風呂が待っていた。


 天井のかわりに紺碧の空。
 圧迫感のある壁のかわりに遠く連なる雪を残した山々。
 高原の風が吹き抜ける。
 お湯は青空に映える美しい緑がかった乳白色。

 万座温泉はずっとずっと前から行ってみたかった。
 よく雑誌などに出ている展望抜群の露天風呂は、どうしても晴天の日に入りたかった。
 とても大きな期待をもっていたが、それを裏切られるどころかそれ以上のものがあった。

 白いお湯はまるで底が見えず、深さが判らないためカナは入るのを躊躇した。
 先に入っていた方が、手すりのところが階段状になっているよと教えてくれた。
 かなり熱さを感じる湯で、レナも入れるかなと思ったが、レナは気にせず入ってけろりとしていた。
 極楽湯とはよく言ったもの。まさに極楽気分。最高。

 湯船の中央に切り株をおいてあって、子供達はそこに腰をかけて涼んだ。のぼせたなと思うと、ちょっと浴槽の縁に座って涼めばいい。乾いた気持ちの良い風が体を冷ましてくれる。

 一人あがると、また一人と続けてあがっていってしまい、気がつくと私たち家族3人だけになっていた。
 この素晴らしいロケーションをお風呂に浸かりながら独占…。
 はー、東京へ帰りたくない。

 本当は露天風呂から出てから、万座温泉ホテルで昼食を取り、その後内湯にも入ろうと思っていたが、ホテルのレストランは、入り口の軽食喫茶をのぞいて閉まっていた。スキーシーズンのみの営業なのだろうか。
 万座温泉ホテルには、露天の極楽湯の他にも苦湯、ラジウム湯など面白そうな九種類のお風呂があるので、残念。またいつか改めて来たい。

 レストランがあるかと、万座プリンスホテルにも寄ってみたが、レストランのかわりにグレー公衆電話を発見。昨日までの日記をアップロードした。

 もう少し下ったところでスキーハウスYUKIというレストラン併設の宿泊施設を発見。そこで遅いランチとなった。草津温泉を通過する際、温泉饅頭を購入。あとはまっすぐ榛名湖へ戻るだけ。
 帰り道、子供達は熟睡。



 部屋について目を覚まし、温泉饅頭をほおばるレナ。

 さて、夕食に万座温泉ホテルで買ってきた山菜をパパが天ぷらにしてくれることになった。


 左がコシアブラ。右がタラノメ。


 からりとあがったところ。美味しそうでしょ。
 この苦みが春の味って感じ。
 え? パパ、来年は山菜取りにチャレンジ?
(榛名湖周辺は山菜の種類が少なく、競争が激しいそうです 念のため)



 榛名湖の黄昏。
 もう明日は最終日。楽しい時間は過ぎるのが早い。

続く…


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