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◆◇夏休み函館紀行◇◆
母娘函館観光旅行記

18.三度目の函館ハイカラ號






 まもなく夕方の4時。
 函館空港に行くために函館駅を出るのは6時過ぎでいい。
 あと2時間、自由時間在り。

 せっかくだから函館らしい洒落たカフェでゆっくりして行こうかと提案してガイドブックを開いた。
 宝探しの最中は、ガイドブックは地図を含めてあまり役に立たなかったので久しぶりに開いた気がする。
 ちなみに宝探し中に役に立った地図はむしろ函館駅の観光案内所で貰ったやつだった。

 「ここはどうかな。TACHIKAWA CAFE。建物が国の重要文化財で、メニューにケーキなど甘いものだけじゃなくてサーモンクリームチーズサンドとかあるよ」
 「お腹空いたからサンドイッチ食べたい」
 場所は路面電車の大町駅から少し歩いたところ。
 なんせ今日は市電の一日乗車券を買ったから電車の乗り降りは厭わない。バスと違ってすぐに来るし。


十字街。道向かい、真正面に見えるのは宝探しのスタート地点であった坂本龍馬像。
そう、宝探しは十字街で始まり、十字街で終わった。



 早速十字街で路面電車が来るのを待っていると、来たぁぁぁぁ、なんとやってきたのは三度目の正直、レンガ色のクラシカルな車体、あの二度も目の前で逃した函館ハイカラ號だった。

 うわっ昇降口も自動じゃなくて運転手がチェーンを外すんだ。
 中のドアや壁もレトロに可愛らしくて遊園地の乗り物みたい。
 座席に座ると切符確認のお姉さんが近づいてきて、「谷地頭方面行ですがよろしいですか?」と聞いてくる。





 さーっと青ざめた。
 ち、違う、谷地頭方面じゃない、函館どつく前方面に乗らなきゃ。
 すっかり忘れていた。市電は十字街で行先が二手に分かれるんだった。
 だから行先を確認して電車を選ばなきゃいけないんだった。うわー、これは降りないと。

 結局一駅も乗らずに函館ハイカラ號を降りて、再び十字街駅で次の電車を待つことになった。
 なんでこうなるのぉ。つくづく函館ハイカラ號に縁が無い。
 観光客向けの車両なら、観光客のほとんどが使う函館どつく前方面に走らせてよーと思うけど、ここで嘆いてももう遅い。






4-19TACHIKAWA CAFEはティータイムへ続く


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