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◆◇夏休み函館紀行◇◆
母娘函館観光旅行記

12.ソフトクリームショップの熾烈な客引き













 旧函館区公会堂を出て夏の日差しが照りつける。
 そうそう宝探しの行先だが、宝探しマップでいうとラストは水のしずくのマークで記された地点らしい。
 そこは観光案内所で貰った現在の地図でいう「元町配水場」の辺りを指している。

 ここから元町配水場に向かうには、まず旧函館区公会堂と元町公園の間の道-これは坂道ではなく坂と垂直に伸びるその通りを十字街方向に向かって坂道三本分ぐらい進み、それからまた坂をちょっとだけ上がった辺りにある。
 位置的には一昨日函館山に上ったロープウェイの山麓駅にほど近い。


朝の曇天どこへやら。もしかして今日は旅行中一番の晴天か!?



 実は旧函館区公会堂のある場所は函館公園の一部なのだが、その函館公園と元町公園の間の道を歩いていると、いきなり近づいてきたお兄さんがいて、
 「これ、すぐそこの店の割引券だから良かったら寄って行ってね」とチケットを渡してきた。
 そのお兄さんが離れるや否や今度はお姉さんが近づいてきて、
 「美味しいソフトクリーム屋の割引券だよ。その通りの二軒目。間違えないで。二軒目だよ」
 さらにその後には三人目が待ち構えていて、
 「数えて三軒目だからね」と。

 見ると私たちだけじゃなく、ここを通る観光客、みんな同じように次々と割引券を渡されている。
 どこの店が最初に始めたのか判らないけど熾烈な客引き競争だな。





 まあでも客引きは成功したらしい。
 じりじりと直射日光に照らされて、ちょっと冷たいものでも食べたい気になっていた。
 深く考えもせず一番手前の店の前に立つと、威勢の良い店番のお姉さんがてきぱきとお客さんにソフトクリームを売っているのが見えた。
 お姉さんの気風の良さに惹かれて結局一番手前の店を選んだ。
 店の名前はいかにも狙った感じの「公会堂のとなりです」。
 中ではのんびりしたおばあちゃんが作業している。店番のお姉さんとおばあちゃん、二人のテンポの違いが見ていて面白い。

 乳製品と甘いもの苦手なカナはショーウィンドウから見えるチーズポテトが気になったようだが、聞いてみるとやはり持ち運びが困難だったので土産に買うのはあきらめて、私はキャラメルソフト、レナは北海道メロン(最高級)ソフト、カナはチーズポテトと何故かメロンのかき氷を選んで食べた。
 私たちが食べていると、それが客引きになってか次々とお客さんがやってきて、あっという間に店の前は大した人だかりに。






4-13函館は教会の多い街へ続く


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